Log of ROYGB

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ルシファー効果

http://med-legend.com/mt/archives/2007/05/post_1091.htmlの「医学都市伝説 ルシファー効果」に関して。スタンフォード監獄実験という結構有名な実験のその後の話などがあります。

この無意味な規制を守らせようと、定期的な持ち物検査をしたりするヒマがあれば、もっと別の関わりをしたらどうよと思うのだが、人は善意が動機であれ、共感と支持を与える人間になるよりは、規制と教導を与える立場に立つことの方が重要だと思うものらしい。確かにそれが無いと混乱するといわれれば、認めるしかないのも事実なのだし、何より、自分自身がそういう意識にとらわれていることだって、しょっちゅうなのだ。

私は今後、おそらく精神科病棟を管理する仕事にはつかないだろうと思っている。それは、こうした徒労を散々経験したからで、逃げでしかないのだが、実は精神科病棟の特殊性で済ませられることでもないのだ。一度でも普通の身体疾患を見る病院に入院したことがある人なら、一見配慮に満ちつつ、実際は無意味な規制のマトリックスが張り巡らされていることを、実感されたことがあるはずである。それはそこで働く人間にとっても、同質である。

ミシェル・フーコーがいうように、権力というものはこうしたミクロな「善意」をそのエネルギーにしているのであって、決して支配と抑圧に向けた悪しき野望がその源泉ではないのだ。ジンバルドの実験も、そうした洞察を全く欠いていたという決定的な未熟さゆえに、今も語り継がれるコントロール不能の事態を生んだと言える。

http://med-legend.com/mt/archives/2007/05/post_1091.html


やはり最近読んだhttp://d.hatena.ne.jp/kotorikotoriko/20070510/1178729698の「ノッフ! - 権力というのは恐い」も同じような現象に関して書いています。

僕の仕事に限らず
僕の前任にあたる人が規制することにエクスタシーを感じる異常かというとそうでもなくて、考えることを止めたほうがずっと楽な仕事というのは存在するものです。

役場なんかに行くと、係りの人の融通のきかない態度に、こいつ馬鹿じゃないのかとか僕は思ったりする。インターネットのサイトの規約なんかでも、よくもまぁこれ程までに自分に都合の良いものを書き上げたものだなーと感心しちゃうものも存在する。サポートの人の反応なんかにも、そういうのがあります。

そういう仕打ちを受けるとムカつくわけですが、どれもこれも仕事を楽にかたづける一種のライフハックなのです。少くとも責任を問われることはないし、自分はラクだ。

仕事をするということは、多少に関らず権力を持つということでもあります。持っている権力を最大限に行使するというのは、評価を上げる、仕事をこなすという点においてはとても良い行為ですね。

http://d.hatena.ne.jp/kotorikotoriko/20070510/1178729698


最近話題になっている、高校野球の特待生問題における高野連の対応などもルシファー効果で説明できるのかもしれません。
また、権力を持っている場合でなくても、似たような現象は起きるかもしれません。インターネット上の日記やブログなどのいわゆる炎上でも多くの“ミクロな「善意」をそのエネルギーにしている”ような場合が多いのではないでしょうか。