Log of ROYGB

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物理定数

http://d.hatena.ne.jp/hachi/20070714#p13の『2007-07-14 - あけてくれ - おれカネゴンの「算数できんのやっぱり気にしすぎとや」日記』で書いてあった物理定数の話に関して。

別に遠方でなくてすぐそこにそういう世界(たとえばプランク定数が違う世界)があったとしても、それを観測することはできるのだろうか。暗黒物質だか星間ガスだかによる擾乱と区別できるだろうか。もしかすると、カネゴンたちのスコープは「物理法則が一定の世界の内側だけ」に限られていて、そこから一歩たりとも踏み出すことはできなかったりするだろうか。

もしそうだとしたら、今のところ根拠はないのだけど、これを解決するにはたぶん物理学だけでは不足で、論理学の助けが必要な気が何となくする

http://d.hatena.ne.jp/hachi/20070714#p13


哲学的な話のようですが、こういったことを物理学としても研究している人がいるようです。以下http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0509/invariable.htmlの「物理定数は変化する?:日経サイエンス」より引用。

 1930年代以降,研究者は定数が一定でないのではないかという疑問を抱くようになった。この考え方はひも理論によって理論的に信憑性の高いものとなり,定数の変化を探すことが重要な課題になった。
 特に関心を集めているのは,光速c,1個の電子が持つ電荷e,プランク定数h,そして,いわゆる真空の誘電率ε0の比をとった定数α=e2/2ε0hcだ。
 「微細構造定数」として広く知られるこの値は,電磁気学量子力学理論を適用した先駆者ゾンマーフェルト(Arnold Sommerfeld)によって1916年に初めて導入されたもので,真空中の荷電粒子の振る舞い(ε0)を含む電磁(e)相互作用に関して,相対論的な性質(c)と量子論的な性質(h)を関係づけている。αは約1/137(1/137.03599976)の値を持つということが測定からわかっているため,物理学者の間では137という数値が特別な意味を持つようになった(彼らのブリーフケースの鍵の番号はたいてい137だ)。
 仮にαの値が違っていたら,私たちの周囲の世界は現在とはまるで異なるものになるはずだ。αが今よりも小さくなれば,原子からなる固体の密度が低下し,分子の結合がもっと低い温度で切れるようになり,周期表の安定な元素の数が増える。逆に大幅に大きくなれば,原子核内の陽子間に働く電気的な反発力が,核子を結びつける「強い力」を上回り,原子核は存在できなくなる。たとえば,αが0.1まで大きくなると,炭素原子核はばらばらに分裂してしまう。

http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0509/invariable.html


万物理論 (創元SF文庫)

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