Log of ROYGB

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フェアンフェア

http://d.hatena.ne.jp/trivial/20071102/1194001428#seemoreの「叙述トリックとフェアプレイについて書かれた次の文章を読んで問いに答えなさい - 一本足の蛸」に関する話。
最初に問いに対する回答を書いておくと3です。でも舞台を外国にするとかの工夫も欲しいと思います。

1、2、3の選択肢を内容によって並べ替えるならば2、1、3かその逆になるのではと思いました。つまりこんな感じです。


2.叙述トリックはアンフェア
1.現実の社会で可能ならばフェア
3.作中世界で可能ならばフェア


ミステリーの賞などでは1の見解をとることが多いようです。ただし、選考委員がこの社会の森羅万象を把握しているかといえば当然そうではないので問題になることもあるようです。*1

この2、1、3以外にも選択肢を増やすことは可能で、2よりもフェアについての判断を厳しくすることもできます。たとえば、書き手が犯人を知っていながらそれを隠しているのはアンフェアだとする考え方もあり得るでしょう。この考え方だと一人称で時間順に書いたものと倒叙形式以外はアンフェアとなるかも。あと話はずれますが、倒叙形式でよくある探偵役がある種の勘や心の閃きでなんとなく犯人だと判断した場合はフェアといえるのかなんてことも考えました。
話をもどして逆に奇跡でも超常現象でもオッケーという考え方もあるかもしれません。英語の"mystery"には神秘や奇跡といった意味もあることだし。しかし、それではミステリーというジャンルの枠を外れてしまうのかもしてません。ただ、ミステリーというジャンルに入るものはある条件を満たすという定義があるとすると、ある話がミステリーだと説明することがある種のネタばれというか話の進む方向を明かすことになってしまう可能性がでてくるかも。殺人事件の犯人が天から降ってきた石で命を落とすなどということは、ミステリー小説では全く無いであろうことがかなり高い確率で推察されます。*2

その他、本の残りが少ないのでそろそろ解決するのかという判断を認めるのか、それはアンフェアだとするのかなど、ミステリーに関するフェア・アンフェアについての意見の相違があるでしょう。でも本の残りから判断することをアンフェアだとするにしても、いいところで次巻に続くとか、それならまだしも未完だったりしたら怒りそうな気がします。

現実の事件では迷宮入りする事件もあるので、ミステリー小説の事件が迷宮入りするなんていうのもリアリティがありそうですが、あまり読みたくはありません。でも作中世界では迷宮入りで、読者には犯人がわかるという逆叙述トリックのような作品はあるか。作中で解決したが、実は冤罪という話もあるし。

*1:読んでないけど「半落ち」、読んだものでは「あした天気にしておくれ」あたりが有名でしょうか。

*2:実はこの推察は間違いです。