Log of ROYGB

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無限小数の不思議

14日に書いたもののコメント欄http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/comment?date=20080114#cの“実数とその小数表記との間の関係については、まじめにやるならもう少しことわったほうがいいんですかね”ということについて少し考えてみた結果です。


まず、無限小数の桁数をどんどんふやすことで無限小数について考えて見ました。
小数点以下1位までの小数として0.1を例にして、その10分の1として0.01、さらに10分の1として0.001と桁を増やしていきます。
これを数列として考えるとこんな感じ。

\large 0.1, 0.01, 0.001, \cdots, \frac{1}{10^n}

無限の桁の無限小数にするにはnに無限を代入すればいいのですが、無限の代入を行う方法がわからないので無限の極限にしておきます。

\large \lim_{n\to\infty}\frac{1}{10^n}

ええと、これは0に収束するような気がします。これは0.999…が1に等しいのと同様に、何の不思議も無いことかもしれません。でも、0.1ではなく0.2や0.3、0.9から始まる数列にしても極限値は0です。これはどういうことかというと、無限小数の無限の先の桁の値が何であろうと小数の値としては同じになるということでしょう。


無限小数の場合は、ある桁の数が違っていても同じ値になる場合がある。


違っている桁が、小数点以下有限桁の場合は当然ながら差が生じます。無限の先の桁の場合は、その桁の数字が違っていても差が無いということです。
そう考えると、対角線論法を否定することも出来てしまいそうな気もしてきます。自然数に対応しきれない実数という、対角線を使って創られる小数点以下第n位の値がn番目の小数と違う数が新しい数であるとは限らなくなるからです。nが有限の値の場合は、小数点以下第n位の値が違えば小数の値にも差が生じます。しかしnが無限の場合は、小数点以下第n位の値が違っても小数の値は変わらないからです。

\large \lim_{n\to\infty}\frac{1}{10^n}
これは0に収束するし、
\large \lim_{n\to\infty}\frac{2}{10^n}
も0に収束
3〜8も同様なので省略して
\large \lim_{n\to\infty}\frac{9}{10^n}
も0に収束です。
つまりn桁目の値が何であっても、nが無限の場合は0であるとしたのと同じ値にしかならないのです。だからn桁目の数字を変えることで値が変るのは、nが有限の場合に限られるわけです。値が変わらなければ、表記が違うけれども同じ数です。それこそ1と0.999…のように。