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褐色の硫黄

http://www.asahi.com/science/update/0105/TKY200901050126.htmlの『asahi.com朝日新聞社):ゴム状硫黄「黄色」です―17歳が実験、教科書変えた - サイエンス』に関して。

ゴム状硫黄は、硫黄原子が鎖状に並んでできた硫黄の同素体。現在使用中の教科書10種類には「褐色・黒褐色・濃褐色」とあり、大学入試でも「褐色」が正解とされてきた。

 高橋さんは、指導教員の金綱秀典教授から「昔、黄色のゴム状硫黄ができたことがある」と聞き、本当かどうか実験で確かめたくなった。

 市販の硫黄の粉末を試験管に入れて加熱していくと、流動性が出てくる。これを冷水に流し込むと、弾力性のあるゴム状硫黄となる。

 市販の5種類で試した。純度98%の硫黄粉末や99%の硫黄華で作ったゴム状硫黄は褐色や黒色で、試験管に黒い物質が残った。だが99.5%の結晶硫黄だと黄色になり試験管に何も残らなかった。

 そこで、黄色いゴム状硫黄に鉄粉を混ぜて溶かし、再びゴム状硫黄にすると褐色に変わった。鉄粉が多いと黒色になった。純度99%以下の硫黄は、不純物で褐色や黒色になると分かった。

http://www.asahi.com/science/update/0105/TKY200901050126.html


僅かな不純物によって色が変わるのが面白いなと感心しました。しかし、考えてみれば微量の不純物によって色がかわるというのは他にも思いつきます。
酸化アルミニウムの結晶は、不純物が無ければ無色透明ですが不純物によって色付きます。美しいものは宝石として珍重されます。紅い物がルビーで、それ以外がサファイアと呼ばれます。


宝石つながりで、ダイヤモンドも連想しました。炭素の同素体だからです。同じ物質でも、原子の配列によってずいぶんと見た目や性質が変わります。ゴム状硫黄というのも、硫黄の同素体の一つです。


それから硫酸銅は青い結晶ですがこれは水分を含んだ水和物の場合で、水を含まない無水硫酸銅は白い粉末だったりと、僅かな差によって見た目が変化することは考えてみれば沢山あるかもしれません。