Log of ROYGB

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病院での話と学校での話

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20100729#p1の、「世の中には、天性の「イジメ上手」がいる。 - 琥珀色の戯言」から。

知り合いの劇画原作者に聞いた、ある病院での話。

そこの病院の某科部長は、新しくやってきた研修医のうちのひとりを、いつも「標的」にしていた。

カンファレンスでは、そいつがプレゼンテーションをするときには、これみよがしに厳しい質問をして、「お前はバカだ」と徹底的に責め立てる。

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20100729#p1


この知り合いの劇画原作者に聞いたとされる病院の話から連想したのが、ある学校での話。どこで読んだのかは忘れてしまいましたが、検索して見つけたhttp://blog.livedoor.jp/n_mina/archives/1064971.htmlの、「N先生とA君 みなたんブログ」から紹介します。

小学生のとき、少し足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅いA君がいた。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。
抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。

担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。
私はN先生が大嫌いだった。

http://blog.livedoor.jp/n_mina/archives/1064971.html


この部分だけだと、病院の話と似ていますが読み進めると全く違う結末になります。まあ病院の話がどうなったのかについても書かれてはいないので、わからないといえばわからないのですが。


学校の話においては、私が見ていたのとは違う真実がA君とN先生の間にはあったのです。


「風にならないか」という歌の、“降りかかる火の粉と、降り注ぐ愛情を、決して間違わずにきたとは言えない”という一節も思い浮かびます。歌われているように、一見して似ているように感じられるものでも実は全く違うということもありそうです。
割合として降りかかる火の粉と降り注ぐ愛情を考えたら、火の粉の方が圧倒的に多いような気もしますが。


意図とは別に、結果によって変わってしまう、ということもあるかもしれません。

少年ジャンプで連載していた「スラムダンク」というマンガに登場する安西先生の過去のエピソードにそんなのがあります。白髪鬼と呼ばれて恐れられていた大学の監督時代に、素質を見込んで厳しく指導していた選手がいたのですが、彼は逃げるようにアメリカに行ったのですが、結局はダメになってしまいました。
それが安西先生を変えることにもなったのですが、N先生とA君の話がこうなる可能性もあったのではないでしょうか。話の語り手である私にはN先生のことがわかっていなかったので、私がA君だったらみたいなことも考えます。


やはりマンガですが「ブラックジャック」に逆パターンの話があったのも思い出しました。同窓会をする為に探し出した小学校の時の先生は麻薬中毒になっていて、実は免許の無いニセ教師だったことをブラックジャックに語る話です。
きちんとした授業が面倒で適当にやっていて、理事長の部屋を探っていたのも不正を暴く為ではなく金を盗む為だったというのも明らかになります。ただし、その真相はブラックジャック以外の同級生には知らされなかったのでした。


最初に紹介した病院の話も、劇画原作者が語るのであれば何か劇的な後日談があっても面白いかもしれません。
例えば、
研鑽を積み、現在では全国から患者が何とかして下さいと訪れるほどの名医となったかつての研修医。ある日、そこにやってきた患者は、なんとかつての某科部長。彼の腕をもってしても難しい状況で、もし彼が断ったら他ではまず助からないだろう。
みたいな。