Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

死刑反対と殺人事件

死刑に反対する場合には、殺人事件にも反対しないと一貫性に欠けるのではということについて考えました。


前提として、死刑に反対する理由に「人を殺すことはいけない」というのが含まれている必要があります。だから人を殺すことはいけないというのとは別の理由で死刑に反対している場合には当てはまりません。
日本で死刑が行われる場合に、その背景には殺人事件が存在します。法律上は外患誘致罪のように殺人を伴わないでも死刑になる場合もないとは言えませんが、現実的には現在の日本で死刑が行われた場合には殺人事件が存在するとしても間違いではないでしょう。


人を殺してはいけないという理由で死刑に反対するならば、殺人事件にも反対しないと一貫性が無いと考えることにはそれなりの妥当性があると思います。もし死刑に対してのみ反対し、その背後にある殺人事件に対してはなにも表明しないのであれば、何か別の理由があると推測されます。

たとえば、
現に起こってしまった殺人事件については何かを言っても無かったことにはならないが、これから行われる死刑については反対することによって変えることができる。
といったような理由から、死刑に反対しながら殺人事件について言及しないことは可能でしょう。
しかし、それならば死刑が行われてしまった場合にも特に言及する必要は無いわけです。


殺人事件に反対するといっても、現実に何か影響を与える方法はそんなに無さそうではあります。まあこれは死刑の反対でも具体的な成果があるのかについては似たようなものかもしれませんが。
殺人事件を減らす為の対策というのは、効果のほどはともかく現実に行われています。たとえばダガーナイフの規制などは、殺人事件に使われることが無いようにというのがその目的です。まあナイフがダメでも包丁で人を刺すことは出来るのでしょうが、殺傷能力の違いによってギリギリ死なないで済むこともあるかもしれません。
銃の規制については現在でも行われていますが、それでも不法に所持された銃が全く無いわけではないので摘発を強化することによる効果もあるかもしれません。
強盗殺人に対しては、監視カメラによる抑止効果があるかも。カメラによって撮影されていることが明らかであるならば、目撃者を殺すことによるメリットが無くなるからです。