Log of ROYGB

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光ジャイロと絶対座標

回転するコマは向きを保つ性質があります。自転車の車輪なども同様で、走る自転車は止まっているときよりも倒れにくいわけです。これをジャイロ効果といって、空中などでも向きを知ることができるジャイロスコープという装置は飛行機やミサイルなどに使われています。
通常のジャイロはコマのような回転する円盤が使われていますが、光を使った光ジャイロというのもあります。これは光ファイバを輪にして光を通したもので向きを検出します。輪になった光ファイバを通る右回りの光と左回りの光を比較することで向きが変わったことやその量を知ることができます。

リングレーザージャイロスコープ光ファイバジャイロスコープ(「光ジャイロ」)を理解するために、回転する円形光路を考える。 入射した光が出口に達するまでに出口の位置が変わり、光路の長さがあたかも変化したことになる。そのため定速度の光が出口から出てくる時間は光路の回転速度に依存する。

従って、装置が回転することによって、同一の周回状光路を逆方向に走った2つの光の到達時間に差が生じる。この差を測れば装置の回転速度が判る。実際の測定では、双方の光の位相差を検出し回転速度を測定している。

サニャック効果 - Wikipedia


この光ジャイロという装置は自分が動いているかどうかを知ることが出来るわけですが、これは少し不思議です。それは昨日も書いたように、相対理論によれば自分が動いているかどうかを知ることは出来ないはです。他との比較をした場合でも、自分が止まっていて相手が動いている立場と、自分が動いていて相手が泊まっている立場は同等でどちらも成り立つので、必ず止まっているという絶対座標のようなものは存在しないということです。
しかし、ジャイロスコープを使えば向きの変化を知ることができます。光ジャイロも、昨日考えたようにジャイロと同じ立場で観察すれば止まっていても動いていても変わりはないはずです。


実際にはジャイロスコープは使われていて問題なく動作しているので、自分が動いていることを検出することは可能なわけです。違いとして考えられるのはジャイロで検出できるのは回転運動だけということです。直線的な運動はジャイロを使っても検出できないのでしょう。
光の速度を測定したマイケルソン=モーレーの実験では向きによって光が往復する時間に差がでるかを測定して差が出ないという結果を得ました。これは、その後に何度も行なわれた実験でも同様です。
光の往復ではなく、赤道を1周して戻ってくる光を右回りと左回りで比較したら時間に差が出たはずです。この場合は地球の自転を測定する巨大な光ジャイロというわけです。