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移動と同時とローレンツ変換

移動している人にとっての同時と、それを見ている人の同時が違うというのは相対性理論によって説明される不思議な現象です。
たとえば等間隔で移動している球があったとします。


ひとつの球から前後に光を出すと、前後の球に光は同時に到達します。距離が同じなのだから当たり前ですが、これは移動する球から見た場合のことです。


球が動いているのを見ている人からすると、前の球に向けての光は追いかけていく形になるので後ろの球よりも遅れて光が到達します。つまり動いている人と止まっている人では同時が違ってしまうわけです。


動いているものを外部から観察すると場所が違うと位置だけでなく時間も変わってしまうのですが、これはローレンツ変換という式を使うと計算できます。位置の違いが大きいほど時間の違いも増えていきます。だから間隔をあけて同じ速度で移動している球があったとしたら、遠いところにある球の方が時間がずれていきます。


もし球が円状になっていて回転していたらどうでしょう。どれかの球から光を前後に出して、光は次の球に中継されていくとします。どんどん光が次の球に進んでいって、1周するともとの球に戻ってきます。
この時、前方に出した光と後ろに出した光は同時に戻ってくるでしょうか、それとも同時ではないでしょうか。


球と一緒に移動する立場からは前の光も後ろの光も同じ距離を通って同時に戻ってくると考えられます。
球が移動しているのを外から見ている立場からは、後ろに出した光は短い距離なので先に戻ってきて、前に出した光は長い距離なので遅くなります。
これが相対性理論の不思議なところと言ってもいられません。というのは同じ場所での同時というのは観測者によって違っては困るからです。違う場所であればそれほど困りません。
たとえば光が両側から同時に到達したら爆発しないけど時間差があったら爆発する装置があったとして、観測者によって爆発しなかったり爆発したりすることはありません。
では、どっちでしょう。