Log of ROYGB

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物理と幾何

2つの物体の衝突する回数から円周率がわかるという動画。英語ですが画像と数式だけでもなんとなくわかります。


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1kgと1kgだと3回衝突して、1kgと100kgだと31回、そして1kgと10000kgだと314回と円周率の数字が登場してきます。円周率は3.141592…なので、その整数部として3、100kgのときは10倍された円周率の整数部で31という具合です。重さの比が100のn乗のときにn桁表示されるわけです。
摩擦が無く反射係数も1の完全弾性衝突については高校の物理でも出てきますが、物体の形状は球になってると思います。この動画で四角になってるのは、球だとその形状に円周率の意味を見出してしまう誤解が生じるかもしれないので、それを避けるためでしょう。
動画内のグラフの円と直線は、それぞれエネルギー保存の法則と運動量保存の法則から導き出されるものですが、グラフは速度を表示しているもので運動そのものとは関係ないのには注意が必要でしょう。円周上の点から点への遷移は衝突時の一瞬で行われていることなので、グラフのギザギザが運動を表しているのではありません。

運動については続く動画で説明されています。


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この動画は物体の衝突の説明だけでなく、ある角度を持った鏡で反射される光との類似を説明しています。物体の衝突回数のように、光の反射回数に円周率がでてきます。
その説明でギザギザに折り返される光が、仮想的な鏡の先を想定することで一直線になるのに感動を覚えました。
物理の物体の衝突と、光の反射とう幾何的なものが同じにあつかえるというのも不思議に感じました。数学同士ならたとえば二次方程式を代数的にではなく、定規とコンパスを使って幾何的に考えることも可能ではありますが、物理と幾何ではもっと違うからです。
しかし記憶をたどってみれば、力学についてニュートンが書いた「プリンキピア」は運動を方程式ではなく幾何的に説明していたというのもありました。