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美濃牛と黒い仏の感想

アマゾンのアンリミテッドにあった「美濃牛」と「黒い仏」を再読しました。
名探偵石動のシリーズ1作目と2作目ですが、美濃牛に登場したときは不動産会社の下働きとしてでした。意図的に通常とは逆パターンというのをやっているようで、ラストでは登場人物にわざわざ語らせてもいます。また「ハサミ男」のように、実際の真相は別にあるのではと想像させる余地を残しています。
黒い仏」は賛否両論というか、ミステリーファンからはこんなのミステリーではないと言われたりもしたみたいですが、それも意図的なんじゃないかと思います。「ハサミ男」や「美濃牛」でやった通常との逆パターンというのを、ミステリーに対しても行ったわけです。また、超自然的な現象は「美濃牛」でも起きているので、それが伏線と言えなくもありません。前作の奇跡の泉は受け入れられたのに、「黒い仏」のあれは受け入れられないというのでしょうか。
とはいえ、「黒い仏」の初読時には、なんだこれはと思ったのも事実です。「ハサミ男」とは別の意味で、驚かされました。
逆パターンといえば、探偵ではなく助手が真相に気が付いているというのも、通常のミステリーとは逆ですが、これは類型がまったく無いこともなさそう。