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美しい言葉と美しい氷の関係2

美しい言葉と美しい氷の関係1の続きです。

プラシーボ効果について

美しい言葉が美しい氷の結晶を作るという現象が観察できるとして、それがプラシーボ効果によるものである可能性もあります。
ここで、まず説明しておきたいのはプラシーボ効果というのは、客観的に存在する効果だということです。実際には無いにもかかわらず心理的な錯覚によって効果が存在するというような意味で使われることが多いですが、それは本来の意味からいえば間違っています。
プラシーボ効果というのは、新薬の効果を確認する場合などに使われる、薬効を持たない偽薬によって何らかの改善がみられることからきています。これは単なる自覚症状だけでなく、客観的に観測可能な現象として現れることもあります。
プラシーボ効果が実際にあるからこそ、新薬の効果を確認する場合に偽薬が必要になるわけです。つまり、新薬を飲んで何らかの改善があったとしてもそれはプラシーボ効果かもしれないわけで、少なくとも偽薬以上の改善がなければ新薬に効果があったとはいえないわけです。
言葉の意味というのは変化するし、状況によっても変わるので、客観的な改善が存在しないことをさしてプラシーボ効果というのは、必ずしも間違いともいえません。しかし、少なくとも科学的ないいかたではないというのは知っておいていいと思います。

客観的な観測

プラシーボ効果が、客観的に観測可能な現象だとしても、観測者の主観による偏りというのも確かに存在します。新薬の効果を確認する場合にも偽薬を使い、それが偽薬なのかを患者に知らせないだけでなく、医師にもわからないようにする二重盲検法が行われています。
先入観による間違いというのは、科学の世界にも多いようで、例えば人間の染色体の本数は46本ですが、最初のうちは類人猿と同じ48本だとされていたようです。実際に観察しても間違えることはあるということです。
そういう間違いを防ぐには二重盲検法が有効ですが、それが出来ない場合や適切では無い場合もあります。たとえば、パラシュートの検査をするのに二重盲検法を使うなどというのはジョークにしかなりません。また、ある物質の致死量を調べるために実験することは二重盲検法であるかないかにかかわらず出来ません。
また、自動車のスピードを測定する場合などには、スピードガンなどを使えばいいわけで、そこに二重盲検法の出る幕はありません。


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