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格闘技で反則をして相手を怪我させたら傷害罪になるか

格闘技などでは、競技の結果として相手が怪我をしても罪にならないようです。でもルールに違反して相手を怪我させた場合には傷害罪になるのかもと考えました。
極端な話として、試合中にナイフで相手を刺したりしたら傷害罪で捕まるのはまず間違いないでしょう。でも栓抜きで殴るくらいだったら大丈夫のような気もします。
あとは顔面を殴ってはいけないというルールで戦っていても何かの拍子で顔面にヒットした場合、反則になるのは勿論ですが傷害罪になるのかどうかというのは微妙というか多分ならないのではと思います。


こんなことを考えたのは、医師の治療における免責の話からの連想です。http://www.yabelab.net/blog/2008/07/29-232008.phpの「刑事免責主張に関する私なりのまとめ - 元検弁護士のつぶやき」などで書かれていますが、日本には免責の制度というものは無いので免責を求めるのは難しいだろうなとまず思いました。このとき想定していたのはアメリカでは航空事故が発生した場合に整備や操縦に関わった人に刑事責任を問わないというものです。日本にはこういった仕組みはありません。(参考リンク:wikipedia:航空事故
でも全く何も無いのかというとそうでもないと思ったわけです。もし医療行為に関して全く何も免責的なものが無ければ、傷を縫ったり手術をしたりするのも傷害罪になってしまうからです。
そうならないのは正当行為として違法性が阻却されるからということのようです。

日本法における正当行為
刑法上の違法性阻却事由の1つとして理解される(刑法第35条)。すなわち形式的には犯罪類型としての構成要件に該当する行為のうち、法令上認められている行為や業務として正当と認められる行為をいう。

法令による行為としては、刑事訴訟法に基づいてする逮捕があり、正当業務行為としては、医師の行う手術などが挙げられる。

正当行為 - Wikipedia


医師の行う手術などは形式的に考えれば患者の身体を傷つけているわけですが、これは全く合法的なことです。
でも、医師が逮捕されることもあるよね、というところから最初の問題に至ります。つまり医師の行う正当行為において過失があったとして違法性があるとするならば、同じように正当性があるとされている格闘技の試合においても過失があれば違法になる可能性があるかもということです。過失と反則は同じではないのですが、故意の反則でなければ過失によるものだと考えてもそんなに変ではないでしょう。


格闘技でなくても怪我をする場合はあります。たとえばサッカーの競技中に怪我をした場合、どちらかの危険行為として反則がとられた場合には過失傷害になるのでしょうか。もしくは故意に危険行為を行ったとされた場合は、傷害罪になる可能性があるのでしょうか。