Log of ROYGB

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なぜ物を盗んではいけないか

人を殺すことが許容される場合もあるのだから、物を盗むことも許されることもあるのだろうか。ということを考えれ見ました。
人を殺すのが許容される場合とは、

  1. 正当防衛
  2. 緊急避難
  3. 正当行為

の3つが思い浮かびます。自分が殺されそうになった場合に自己の生命を守るために相手を殺しても正当防衛として罪には問われません。緊急避難は、船が難破した場合につかまる板を取り合った場合などで、正当防衛とにているけど間接的な行為の場合など。
正当行為とは、死刑の判決や執行が代表的ですが、警察官の業務による射殺や戦争なども考えられます。


盗みの場合も、殺人と同じような場合にあてはめるとどうなるでしょうか。
正当防衛的な盗みというのは、たとえば自分を殺そうとした相手の武器を奪う場合などでしょうか。拳銃の弾や毒薬をあらかじめすりかえておくなどはフィクションじみていますが、そういった行為によって窃盗の罪に問われるかどうかというのはちょっと面白い問題だと思います。

緊急避難としては、人を殺す場合と同じで海で遭難した場合に他人が捕まっていた板を奪ったと考えると大丈夫なのかも。でも相手の救命胴衣を奪った場合などはどうなんでしょう。
お腹がすいて死にそうならば店先の食べ物を勝手に食べても良いだろうかかと考えるとダメな場合もあるかもしれません。芥川龍之介の「羅生門」に出てきた老婆が、生きるためならば悪いこともしかたがないといった考えをもっていたように思います。
遭難した場合などの極限状態であれば許容されるが、日常生活が行われている社会では受け入れられないといったところかもしれません。

正当な行為としての盗みというのは無いんじゃないかと思ったのですが、正当な場合は盗みにならないだけで相手の持ち物を奪うと考えればいくつか思いつきます。捜査令状による証拠品の押収などは、正当な“盗み”と考えることもできそうです。他には競売なども、他人の持ち物を相手の意に反して奪うのだけれども正当な行為です。