Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

インドでは父親は子供を引き取れない?

はてなブックマークで紹介されていたニュースのhttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080807-OYT1T00470.htm?from=main4「」に関して。

日本人夫婦が、インド人女性に代理出産を依頼して女児が生まれる前、離婚したため、子供の母親や国籍が不明になっていることが7日わかった。

 離婚した元夫は子供を引き取る意向を示しているが、外務省は、出産女性を母とする日本の民法判例に従い、日本人としての女児の出生届は受理できないという判断を元夫に伝えている。

 元夫が、子供を引き取るにはインド、日本国内の養子縁組に関連する法律の手続きを踏む必要があり、子供は現在、インドを出国できない状態だという。

 代理出産の是非については、日本学術会議が途上国への「代理出産ツアー」を問題視し、「代理出産は新法で原則禁止とすべき」との報告書を今年4月にまとめたが、その懸念が現実化した形だ。

 外電などによると、昨年11月、愛媛県の40代の男性医師と妻だった女性は、インド人女性と代理出産契約を結び、インド人女性は同国西部のクリニックで妊娠、今年7月25日に女児を出産した。夫婦は子供が誕生する前の6月に離婚。元妻と代理母は子供の引き取りを拒否している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080807-OYT1T00470.htm


この記事だけだとよくわかりません。離婚したことと日本の民法代理母による出生を認めないというのは関係の無い話だからです。養子縁組をするのに独身だとまずいというのならばまだ理解できるのですが、そうでもないようです。
毎日jpのニュースでは少し違う面からも書かれていました。

 報道によると、依頼したのは日本人の男性医師(45)と女性(41)の夫婦。男性の精子と、インド人女性から提供を受けた卵子体外受精させ、その受精卵を別のインド人女性の子宮に戻した。7月25日に女児が生まれたが、夫婦は誕生前に離婚したという。

 インドの法律では、親が父のみの場合、生まれた子との親子関係が認められないという。このため、女児はパスポートを取得できず、出国できない状態になっている。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080808k0000m040091000c.html


こちらではインドの法律の問題について書かれています。しかしインドの法律によって親子関係が認められたからと言っても日本国籍が得られるわけでもないのが不思議な点です。母親もいたとしたらインド人としてパスポートが取得できるということなのでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/kyoumoe/20080807#1218107497の「2008-08-07 - kyoumoe dovrebbero funzionare per vedere CLANNAD.」で紹介されていたBBCのニュースを読むと、もう少しわかってきます。

"But, according to Indian laws, a single father cannot adopt a girl child. This is the major legal hassle arising in this case.

"But the question is when the child has 50 percent of its father's DNA, where does the point arise of him having to adopt the child as he is her natural father?"

http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/7544430.stm


インドの法律では、シングルファーザーは女の子を養子にすることが出来ないということが問題になっているようです。日本でも独身者が養子を迎えることは法律上無理ではないとしても事実上不可能に近いんではないかと思います。記事では続けて、遺伝子的にも50%引き継いでいて実の父親なのに引き取る上での問題はどこにあるのだろうとしています。*1
記事には続けて子供の父親の母親、つまり子供にとっての祖母が出てきます。子供は祖母が世話をしているようです。この祖母が子供を引きとるという形にしたらインドの法律も何とかなるのではなんてことも考えました。

今後どうなるかはわかりませんが、日本に来るようになるとしても生まれてすぐに飛行機に乗るよりも少し大きくなってからの方が子供の健康の為には好ましいかなと思います。


(8日追記)
CNNのニュースを追加します。内容としてはBBCのものを簡略化したような感じですが、日本語なのがありがたいところです。

インド・ジャイプル(AP) 日本人夫婦の依頼でインドの代理母から生まれた女児が、夫婦が離婚したため養子縁組ができず、引き取り手がない状況に陥っている。


子供の面倒を見ているサンジェイ・アーリヤ医師によると、日本人夫婦は11月、インドの女性と契約を結んで代理母になってもらい、2週間ほど前に女児が生まれた。ところがその直前に夫婦が離婚。夫(45はインドの法律に阻まれて女児を引き取ることができず、妻(41)には引き取る意思がないという。代理母も女児を置いて去った。


インドでは2002年に代理母契約が合法化され、生物学上の父母が生まれた子供を引き取ることが認められた。しかし独身男性との養子縁組は認めていないため、離婚した日本人男性は制度上、女児の親になることができないという

http://cnn.co.jp/world/CNN200808070030.html


もう一つおとなり日記に出てきたhttp://d.hatena.ne.jp/mixifrog/20080807/1218117993の「代理母の話 - 後悔はしたことがない」で紹介されたいた掲示板の投稿も追加します。離婚した奥さんの書いたものだろうとして紹介されています。確かにかなり多くの点でそう思わせるのですが、年齢が違っていたりもします。

41才 結婚歴9ヶ月 不妊治療歴9ヶ月の者です。

医師である主人(48才)が以前から関心を持ち調査していた
インドで昨年の11月にIVFに挑戦しましたが、排卵済みで採卵
出来ず、その場で主人が独断でネパール人から卵子提供を受け、
インド人の代理母が8月に出産を予定しています。

私自身はその後、日本で今年5月にAIHを1回、6月にIVFを1回、
挑戦しましたが、本日、リセットしてしまい失敗に終わりました。

今後、そのインドで生まれてくる子供を育てながら不妊治療を
続けようか、来月にでも離婚しようか悩んでおります。

https://www.babycom.gr.jp/voices/kourei/all_comment_list.php?topic_id=3924#comment


これが6月24日の投稿の一部です。後に離婚したということも書かれています。
しかし、結婚暦9ヶ月で不妊治療歴も同じ9ヶ月ということなので少し驚きました。不妊というとだいたい2年以上夫婦生活を続けていても子供が出来ないこととされているからです。でもそれは年齢のことと、後にかかれている病気のことで納得できなくもありません。
そして、インドに行ったのは11月というのも書かれていますが、結婚歴から計算すると結婚して1ヶ月位の時期になるので、これも驚きました。また、代理出産のことは妻には知らされていないで体外受精の治療の為にインドに行くと言われていたようです。体外受精なら日本でも可能なのに、インドに行くのは不思議ですが、この辺は掲示板の書き込みでも疑問が上がっています。夫の方はもともとインドで子供をつくる計画があったということも書かれていました。
(追記:現在は掲示板の書き込みが消えているようです。Googleのキャッシュにはまだ残っています。
http://209.85.175.104/search?q=cache:XfxNQwVXSKsJ:https://www.babycom.gr.jp/voices/kourei/detail_topic.php%3Ftopic_id%3D3924%26page%3D2+site:www.babycom.gr.jp/voices/kourei/+%22%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%22&hl=ja&ct=clnk&cd=3
http://209.85.175.104/search?q=cache:3uzdWK3OrBYJ:www.babycom.gr.jp/voices/kourei/latest_comment_list.php%3Ftopic_id%3D3924+site:www.babycom.gr.jp/voices/kourei/+%22%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%22&hl=ja&ct=clnk&cd=4
追記ここまで。)


さらにもう一つ追加。赤ちゃんはインド国籍だというのが書かれていたニュース。

インドには代理母に関する法律が存在せず、この女児は現在、インド国籍となっている。父親の日本人男性が引き取るためには、養子縁組みの必要があるが、医師や弁護士によると、インドの法律は妻のいない男性が女児を養子とすることを禁じており、この男性は娘を日本に引き取ることができない状態が続いているという。

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2502103/3190451


もう一つ、これは朝日新聞

男性医師は赤ちゃんを引き取る意向で、女児はインドのパスポートを取得する方向で検討を始めた。女児は、男性の母親が現地で世話をしているという。

 男性医師によると、すでに代理母を母とする出生届をもらっている。日本大使館からインドでの養子縁組を求められたが、養子縁組を求める自分の名が出生届の父親欄にあるため、養子縁組は難しいと現地で言われたという。

 さらに、養子縁組については、インドでは独身男性は女子を養子にむかえられないという。ただ、病院側は「生物学的な父親なので、本来は養子縁組をする必要はない。インドで生まれたので、市民権を得て、インドのパスポートを取れるはず」と話す。

 インドでは04年に代理出産が認められ、海外からの依頼が急増していると言われる。代理母には多額の報酬が支払われる。経済的理由で貧しい女性が引き受ける場合が多いなどと問題視する声もある。

http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY200808070382.html


(10日追記)
赤ちゃんは無国籍としているニュース。インド国籍という上でのニュースとは矛盾。

今年7月にインド人女性の代理出産で生まれた女児が日本に帰国できなくなっている問題で、代理出産を依頼した愛媛県内の40代の男性医師が毎日新聞の取材に応じ、出生届の母親欄が「Unknown(不明)」と記載され、女児が日本とインドのどちらにも属さない無国籍児となっていることを明らかにした。男性は「このままでは『孤児』のような状態になってしまう。一刻も早く帰国させたい」と話した。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080809dde041040095000c.html


元妻の反論。同意書に署名したが不同意とのこと。医師の書いたという誓約書はきちんと読んだんでしょうか。

元妻によると、インドで代理出産の書類に署名させられたが、読む時間を与えられないまま署名を迫られ、後で同意書と知らされた。その後、子供が男性医師と自分との子であるよう装う出生証明書の偽装のため再渡航を求められたが断ったという。元妻は離婚の際「代理出産は私の意思とは無関係」と医師に書面で誓約させたと話している。【石原聖】

http://mainichi.jp/select/science/news/20080810ddm041040138000c.html


(11日追記)
出生証明書が9日に発給されたというニュース。インド国籍は認められたようです。

 【イスラマバード=佐藤昌宏】インド人女性に代理出産を依頼した日本人夫婦が子供の誕生直前に離婚し、生まれた女児がインドを出国できない問題で、同国の担当医師はAFP通信に対し、出生証明書が9日に発給されたことを明らかにした。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080810-OYT1T00616.htm


(19日追記)
日本への入国は認められそうな流れがあったようですが、インドでは出国させまいとする動きがあったようです。

日本人の男性の依頼でインド人女性が代理出産した女児が無国籍になっている問題で、保岡法相は、15日の閣議後会見で、女児側が現地の日本大使館に日本への入国に必要な査証(ビザ)の申請をした場合には、入国を認める方向で検討していることを明らかにした。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080815-OYT8T00428.htm

【ジャイプール(インド西部)共同】日本人夫婦がインド人女性に代理出産を依頼して誕生した赤ちゃんが、夫婦の離婚が原因でインドを出国できないでいる問題で、同国西部ジャイプールの非政府組織(NGO)は13日までに、代理出産に関する法律がインドにないことを理由に、この赤ちゃんの国外連れ出しを禁じるよう求め地元裁判所に提訴した。

 裁判所は地元州行政当局などに対し、国外連れ出しの可否などについて説明するよう命令した。裁判が決着するまで赤ちゃんはインドに留め置かれる可能性が高まり、日本への出国に向けた手続きは遅れそうだ。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080814ddm041040036000c.html


もう一つ追加。比較的まとまっていますが、当時は結婚していた男性を独身としていたり、最高裁の判決を受けて出生後の認知でも日本国籍を取得可能だというのが抜けているのが気になります。

父「独身」 インド「野放し」 子は無国籍

 日本人男性医師が、インドで現地の女性と代理出産契約を結び女児が生まれた問題では、独身者が実施し、女児の国籍が不明確になるなど想定外の事態が次々と明らかになっている。代理出産のあやうさが、浮き彫りになった形だ。(イスラマバード支局 佐藤昌宏、科学部 長谷部耕二、大阪地方部 山村英隆)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080816-OYT8T00220.htm


(10月27日追記)

日本人男性がインドで依頼した代理出産で誕生した女児が出国できないでいる問題で、日本政府は27日、日本への入国を可能にする査証(ビザ)を女児に発給した。在インド日本大使館が明らかにした。

 女児はすでにインド政府発行の渡航証明書を取得。日本へ渡航するための必要書類はすべてそろい、誕生から約3カ月間留め置かれたインドから、付き添っている祖母とともに近く日本へ向けて出発する予定。日本入国後、帰化などの手続きを経て日本国籍を取得できるとみられる。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/081027/bdy0810272044005-n1.htm

*1:自動翻訳と自分翻訳による理解では。