Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

シュレーディンガーの円周率

http://d.hatena.ne.jp/michiaki/20060715#1152935747にある「知られざる数」の以下の部分に関して。

同じように、全体的概念としての円周率は存在するが、有限である「計算済みの部分」と無限に残っている「未計算の部分」は、その存在様式が違う、と言えるだろう。計算済みの部分(1兆2411億桁)はどこかの大学の計算機室のハードディスクに保存されているだろうが(10進で表現してもたったの1.2TBなので、秋葉原で300GBのハードディスクを買ってくれば4万円ちょっとで収まる)、未計算の部分は、計算済みの部分と同じような形では存在しない、実際に計算されるまでは存在しないのだ。いきなり「じゃ、2兆桁目の数字を教えて?」と聞かれても、それは誰もわからない、1桁1桁計算を続けた結果2兆桁目に辿りつくまでは、ただ概念として存在するのみで、具体的な数字としては存在しないのだ。


円周率の任意の桁の数を計算する方法はあるようです。だから2兆桁目の数字を教えてと聞かれたら、2兆桁目だけを計算して求めることができます。ただし十六進数表記です。
十六進数で求められるということは、簡単な変換をして二進数でも求められるから、そこから四進数や八進数などでも求めることもできます。ただ十進数で求める方法はまだないようです。

十六進数では円周率の任意の桁の数を求めることができるが、十進数では出来ないというのは、単に十進数で求める方法がまだ見つかっていないというだけでしょうか、それとも進数の違いによる何かがあるのでしょうか。


十進数で任意の桁の数が簡単に求められる無理数を考えることもできます。0.101001000100001000001…というような数を考えると、任意の桁の数を求めることもそう難しくはありません。でも、この数の進数を変えた場合には難しそうです。


1/3を十進数で小数にすると0.333…となり無限小数になりますが、三進数なら0.1となります。でも1/2を三進数で小数表記すると0.111…と無限小数になります。


ある整数が偶数か奇数かを判断するのには、どれだけ大きい数でも下一桁だけを見ればわかります。5で割り切れるかどうかでも同じです。二進数でも偶数か奇数かの判断は下一桁でわかりますが、三進数ではわかりません。
三進数では、下一桁をみれば3で割り切れるかわかります。十進数では各桁の数字を足した値を3で割ることで判断できます。2進数だと3で割り切れるかを判断するのは難しそうです。五進数では3で割り切れるかを簡単に判断する方法はないでしょう。
十進数で表記された数が7で割り切れるかは簡単にはわかりませんが、七進数で表記されていれば簡単です。


計算の簡単さといった面では進数による違いがありそうです。しかし、ある数が偶数であるか奇数であるかということは、どう表記しても変化しません。


表記によって変化のしない偶数や奇数、それに素数といった性質を数学的に本質的なことだとするならば、表記によって変化するある数が無限小数であるかどうかというのはあまり本質的ではないと考えられます。例えば人間と全く異なる知的生命がいたとして、どれほど違っていたとしても数学に関してはある程度共通であると予想されます。その共通であるであろう部分が本質的で、場合によっては違う部分を本質的ではないという分け方です。
円周率のある桁の値というのも表記によって変化するので本質的ではないことになります。極端なことをいえばπ進数で表せば、πの値は10になります。



円周率の任意の桁の求めかたに関するリンク http://mathworld.wolfram.com/BBPFormula.html


(17日追記)
コメントの指摘に対応して、もう少し詳しい説明を捜してみました。
円周率の任意の桁を一発で計算する。 http://ameblo.jp/riverplus/entry-10001905553.html