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円周率

円周率が3.05以上だということを証明しろ。という問題があって、大学入試に使われ、予備校の広告にも出ているようです。
この問題を解く場合に円周率の近似が3.14だということを使ってはいけないのは当然しょうが、それ以外はどうなのだろうということを考えました。
例えば、円周率を求める数列というのはいくつもありますが、これは使ってはいけないのでしょうか。別にかまわないような気もしますが、その数列が円周率を求めるものだという証明は必要でしょう。
円周率を求めるのに単純でわかりやすい方法としては円に内接する正多角形の外周を求める方法があります。正六角形を使うと円周率が3以上だということがわかります。正六角形から進めて、正十二角形にすると3.05以上だということも証明できます。正八角形でもできます。
八角形が半径1の円に内接する場合の1辺は、√(2-√2)になります。電卓があれば計算は簡単ですが、試験などで電卓が使えない場合は難しいです。この場合は逆に円周率が3.05と仮定して円周の8分の1と正八角形の1辺の長さを比べると計算しやすくなります。ルートを計算しないで、両辺を自乗するわけです。ここで、等式でなくて不等式なので自乗しても大小関係に変化がないことを一応は明記する必要があると思います。
3.05を2倍して8で割ると0.7625で、その自乗は0.58140625です。2-√2は約0.5857なので、正八角形の1辺は円周率が3.05であると仮定した場合の円周の8分の1よりも大きいことがわかり、円周率は3.05よりも大きいことがわかります。
しかし、ここで疑問に思うのは√2=1.41421356…というのを使ってもいいのだろうかということです。正十二角形の場合は√3を使いますが同じことです。この辺は検算して合っていることを証明することもできますが、先に答えを知っていてというのはずるい気もします。きちんと平方根を求めるやり方を使って計算しないでもいいのでしょうか。
また、正八角形の1辺の長さを求めるのには三角関数の公式を使うか、三平方の定理を使う必要がありますが、これらも証明する必要は無いのでしょうか。

暗記したルートの値や公式を使うのでは、暗記した円周率が3.14だから正しいに決まっていると思うのとそれほど大きな違いは無いのではないかと思うのです。しかし、そんなことを言い出したらもっと基本的な法則から説明しなくてはならなくなりそうなので、どこかに線を引く必要はあるのかもしれません。詰め将棋で使ってよい駒が指定されているように、使ってもいい公式を指定するか逆に使ってはいけないものを指定するみたいな感じです。