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小切手

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070517/271384/の「不思議の国アメリカ、“オンライン決済不在”の驚くべき実態:ITpro」に関して。なんというか、異なった文化への理解が不足しているように感じました。まあ、読み物として面白いように書いているという面もあるのかもしれません。

 中でも、アメリカの決済の仕組みや銀行の仕事ぶりについては驚くことが多い。わたしは怒り、呆れ、そして密かに反省する。なぜ反省するかというと、かつてわたしは「アメリカの銀行はこんなに素晴らしい。だから日本も真似するべきです」と日本の金融機関に繰り返し説いてきたからだ。最初に選んだ就職先であった外資系マネジメントコンサルティングファームでわたしはコンサルタントになり、日本の銀行顧客にアメリカの銀行のケーススタディを売り込んでいた。もちろん、アメリカの銀行には優れた点もあるのだが、アメリカに住んでから、あの華麗なイメージは幻だったのではないかと思うようになった。

 その最たる例は、非常に広く流通している「チェック(小切手)」の存在だ。チェックはあらゆる支払いに利用されている。給与支払いもチェック、消費者による小額決済もチェック、企業間の高額支払いもチェック、なのである。1日に処理されるチェックの数は、2億7000万枚という。チェックがいかに恐ろしい仕組みかお分かりいただくために、詳しく紹介したい。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070517/271384/


日本にも小切手はありますが、アメリカのように個人が買い物などにも使うということはありません。日本では企業などの利用が主なのでしょう。企業用としては小切手に似た手形というのも日本にはあり、これは決められた支払日が来るまでは、銀行にもっていっても換金できません。そして2回不渡りを出すと銀行取引が停止されて事実上倒産することになるなど、この辺は日本独自の商慣習のようです。逆に、一度だけなら1兆円とかいう小切手を発行しても罪にもならないし銀行取引も停止にならないというのを読んだことがあります。

一般の日本人が個人として小切手を受け取ったり、自分で使うことなど殆ど無いのではないでしょうか。せいぜい海外旅行時のトラベラーズチェックくらいでしょう。インターネット関連だとGoogle AdSenseの支払いが少し前までは小切手しかもドル建てだったので、その換金に苦労した人の話や、換金方法について書かれたものを読んだことがあります。
小切手それ自体に関しては、日本もアメリカも似たようなものなのでしょうが、法人が主な利用者の日本と、個人も使うアメリカの違いなのでしょう。

アメリカで日本のように振込みが一般的でないのは、銀行が信用されていないからだというのを聞いたことがあります。電気やガス、水道から電話料金まで、日本では自動振込みがかなり普及しています。そして、特に引き落とし金額をチェックしないという人も多いのではないでしょうか。これは、何だかんだ言っても銀行というものを信頼しているからでしょう。他にも税金の給料天引きから年末調整まで、自分のお金の支払いを他人にまかせておけば勝手にやってくれる物が日本には多いように思います。アメリカには給料天引きまではあっても、最終的には自分で計算して納税処理をする必要があるようです。日本は良くいえば他者を信頼しているけれど、悪くいえば他力本願でアメリカはその逆のような感じです。小切手を振り出す場合も、小切手帳の記録欄に内容を記録するようです。銀行が小切手の処理を紙というか小切手の現物を使っているのも、確実な処理の為というか、もし「こんな小切手を振り出した覚えは無い」とか言われた場合に現物を提示して確認できるようにではないでしょうか。その辺の処理方法については、法律か規則で決まっていそうです。

ところで、アメリカでも小切手お断りという意味のCASH onlyという表示を出している店などもあります。それによって失う顧客もいるのでしょうが、不渡りのリスクは負わずにすみます。