Log of ROYGB

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感情労働

はてなブックマークの最近の人気記事で紹介されていたhttp://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20070611#p1の『まなざしの快楽 - なぜ「感情労働」は「マクドナルド化」によって対処されるのか』に関して。リンク先ではサービスのマクドナルド化、マニュアル化をどちらかといえば否定的にとらえています。しかし、必ずしもマニュアル化が悪いことではないという立場から書いてみたいと思います。まず、マクドナルド化というのをディズニーランド化と変えると少しは印象が変わるのではないでしょうか。どちらも厳密なマニュアルに沿って運営されている点では同じです。
また、食品会社などの衛生に関する不祥事を考えると、マニュアルの不在であるとか、安全基準を守っていなかったことなどが原因の場合が多いのではないでしょうか。衛生関係に限らず安全に関してもマニュアルは大切です。ウランの再処理の最中に臨界事故が起こったのも、マニュアルを無視してしまったからです。
マニュアルが大切なのはそうだとして、感情に関してもマニュアル化するのはどうだろうかという問題はあります。しかし、手紙の書き方や異性に好意を持たれる方法、夫婦生活を円満にすごすための方法などのガイドは世に溢れています。これらも一種のマニュアルです。自分の気持ちをどうすればうまく伝えることができるのか、また相手の気持ちを知りたい、というのは多くの人に関心があるのだと思います。
また、恋人や夫婦、家族でうまくやっていくための決まりごとを作ったりする場合もあるでしょう。たとえば喧嘩をしたときは、自分が悪くないと思った方から謝るようにするとか。こういうのも、ある種のマニュアル化ともいえるでしょう。


http://www.asahi.com/job/special/TKY200706050068.htmlの『asahi.com:「感情労働」時代の過酷 - 週刊朝日・AERAから - 就職・転職』に書かれていることにも少し違和感があります。

体を使う肉体労働。

 頭を悩ませる頭脳労働。

 そして、感情を切り売りするが如き感情労働の時代が来た。

 教育も医療もまるでサービス産業だ。

http://www.asahi.com/job/special/TKY200706050068.html


教育や医療は、まるでサービス産業ではなく、実際にサービス産業なのではないでしょうか。それはともかく、いわゆるクレーマーの問題を「感情労働」という観点からとらえるのは少し無理がありそうに思います。肉体労働や頭脳労働が特に問題ではないように、感情労働もそれ自体では問題では無いように思います。また、感情労働といっても感情それ自体を感じることは出来ないので、感情によって表現される外面などをコントロールすればいいような気もします。比喩的にいえば、ガラスの仮面をつければいいわけです。
肉体労働の一部は機械化、頭脳労働はコンピュータ化することが可能だとして、感情労働を一部にせよ代替できるものとしては何があるのだろうなんてことも考えました。