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台形

人力検索はてなの質問のhttp://q.hatena.ne.jp/1198195002にある「数学です。教えて下さい。」に関して。

数学です。教えて下さい。

上底が4、下底が6の台形があります。
この台形に内接する(台形の4辺に接する)円が描けるとき、この台形の高さはいくつでしょうか。

簡単かもしれませんが、理由つきで解説お願いいたします。

http://q.hatena.ne.jp/1198195002


回答を読んでいて思ったのですが、等脚台形の場合には斜めの辺の長さが5になるのが不思議でした。ちょうど上底と下底の長さの平均になっているからです。しかし、少し考えるとそれは偶然ではなく必然なのだと理解できました。
台形に内接する円の中心から、台形の各頂点に線を引くと4つの三角形に台形が分割されます。そのうち上底と下底を含む2つの三角形の面積を考えると、台形の面積の半分になります。これは2つの三角形が上底と下底をそれぞれ底辺として、高さが円の半径つまり台形の高さの半分であることから容易に導き出せます。
そうすると、残る2つの三角形の面積の合計も、台形の面積の半分になります。等脚台形なので2つの三角形は合同です。台形の斜めの辺を底辺とし円の半径を高さとする三角形なので、面積から考えてその底辺は上底と下底の平均になるわけです。なんかわかってしまえばあたりまえです。
この考え方は、台形の高さを求める質問に対する回答にも使えます。台形の斜めの辺の長さが求まれば、三平方の定理を使って台形の高さを求めることができるからです。



さらに、内接する円がある等脚台形であれば同じことがいえるわけです。別の言い方をすると等脚台形が内接する円を持つ条件が、斜めの辺の長さが上底と下底の平均であることになります。
各辺の長さと高さが整数比になるわかりやすい例として上底2、下底が8の台形に内接する円があるとすると、斜めの辺は5で高さは4になります。



(追記)

等脚台形で無い場合でも4つの三角形に分割する方法は有効かも。台形の斜めの辺2つの長さが同じでは無い場合でも長さの和は、上底と下底の和と等しくなるからです。
計算しやすいところで、片側が直角の場合を考えてみました。斜めの辺の直角の方の長さは高さと一緒で、もう片方は高さから計算できます。さらにその合計が上底と下底の合計と同じという条件が加わると高さが求まり、上底4、下底6の場合だと高さは4.8です。そうすると直角の方の辺も4.8で、もう片方は5.2になります。図も描いてみましたが、これでいいようです。



上底が下底から1飛び出した状態の高さも計算してみました。
高さが(5√14)/5のときに、斜めの辺は5.4と4.6になって円が内接します。
高さを先に決めて、上底と下底のずれる量を計算することもできそうです。あと斜めの辺は4から6の間で、高さ0の極限で片方が4、もう一方が6になることも確実でしょう。上底4、下底6以外の台形でも同様に、斜めの辺のサイズは上底と下底の間に収まります。