Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

出版に関する素人と専門家

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20080114#p1の『「新風舎問題」と「素人と専門家の深すぎる溝」 - 琥珀色の戯言』で書かれていることに関して、素人も専門家も似たようなものではないのかという立場から書いてみます。

それに、「そんなの儲かるわけないから無駄だ」と言いはじめれば、宝くじを買う人なんて、みんな大バカじゃないですか。すべての人間の行き着く先が「死」であるならば、携帯料金をケチって130万円の「夢」を買うような人生は、果たして全否定されるべきものなのか? そもそも、人が本を出す理由なんて、ほとんどの場合「欲と自己満足のエゴ」以外の何者でもないはずですし。

新風舎のやっていたことが、「ぼったくりすぎ」であったのは間違いないのでしょうけど、「専門家」の「そんなの売れるわけないよ」という態度こそが、かえって「普通の人が本を出すという行為」の敷居を高くしてしまって、新風舎のような商売が成り立つ原因になっている気もするんですよね。

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20080114#p1


この辺に書かれていることと近いのかも知れませんが、出版関係に限っても同じようなことが言えるのではいえそうです。
まず、出版の素人の話。http://www.ohmynews.co.jp/news/20080110/19537の『出版の素人が見た甘い夢 - OhmyNewsオーマイニュース』からの引用です。

 動機がまた不可解である。自分史を出したい気持ちはわかる。が、50冊の本は誰に売るでも、あげるでもなく、手元に置いておくのだそうだ。残りの450部は売れると思ったというが、インターネットも使わず、自分で努力もせず、「素人の稚拙な文章(と出版社に言われたそうだ)」でつづった自分史を、出版社が熱心に営業する訳がないだろう。

 売り込みをかけるという450部は、失礼ながら売れるとは思われない。自分史などは売れ筋ではないのだ。事実インターネット上には、ほとんど営業していないという情報が載っている。

http://www.ohmynews.co.jp/news/20080110/19537


次に、出版の専門家の話。http://www.ohmynews.co.jp/news/20080110/19510の『「間違いだらけ……」の出版社が倒産した理由 - OhmyNewsオーマイニュース』からの引用です。

 前出したうわさの影響もあり、「やっぱりか……」とため息をついた出版関係者は語った。

 「出版不況の構造は、年間7万5000点発行されていた書籍が、3年で8万点と激増するいっぽうで、書店は年間300店もつぶれるという状態が表している。つまり1冊あたりの実売数がぐんぐん下がっているわけで、中身のない本を乱造している版元は生き残れるが、1冊入魂の草思社にはツラかったはず」

http://www.ohmynews.co.jp/news/20080110/19510


なんで売れるかどうかもわからない本を乱造するのでしょうか。「そんなの売れるわけないよ」とは思わないのでしょうか。そういったことを考えていると、出版の専門家も素人も似たようなのに思えてきます。


出版関係とは離れるのですが、上の2つの引用先はhttp://www.ohmynews.co.jp/ohmynewsオーマイニュースに登録して書かれているものです。登録すると「市民記者」と呼ばれて記事が掲載されます。登録は無料で、なんと書いたものに対する原稿料が支払われることもあるようです。だから、本の形態にこだわらずに自分の書いたものを世間に発表したい。あわよくば原稿料も手にしたいという人は、オーマイニュースの市民記者に登録して記事を書けばいいのではと思いました。

本の形にこだわる人は、はてなダイアリーで書いたものを本にする「はてなダイアリーブック」というものもあります。はてなダイアリーを書くだけなら無料です。それに、他の人が自分の書いたものを本にする場合には原稿料も支払われるそうです。