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有限集合の冪集合としての自然数

自然数を定義するのに集合を使う方法があります。
まず、なにも要素を持たない空集合としてφを考えてそれを0とします。
次に、0を要素に含む集合を考えて、それを1と定義します。
その次に、0と1を要素に含む集合を考えて、それを2と定義します。
そして、0と1と2を含む集合を3と定義するといったことを続けていって次々に自然数を定義するわけですが、式で書くとこんな具合です。

0=φ
1={0}
2={0,1}
3={0,1,2}


自然数全ての集合というものも考えることができて、これは無限集合になります。要素の数が1とか2とか742のように数えられる有限の数の場合は有限集合で、数え切れない場合は無限集合になります。

ある有限集合として、2のn乗の値を要素に持つ集合を考えて見ます。nは自然数ですが、無限にはならないとします。その集合をMとおくと次のようになります。

M={1,2,4,8,16,…,2^n}

集合の要素の数はn個です。nが有限の値であるので、有限集合になります。
集合Mの冪集合を考えて見ます。冪集合は、ある集合の部分集合を全て集めた集合のことです。Mの冪集合をM^2と書くとすると

M^2={{1},{2},{1,2},{4},{1,4},…,{1,2,…,2^n}}

のような感じでしょうか。


ここでnの値を、自然数を二進数で表記するのに必要な桁数とおきます。自然数を表記するのに無限の桁は必要ないので、いくつだかわかりませんが必要な有限の値をnとおいて、集合Mを考えます。この場合も、Mは有限集合です。
そして、Mの冪集合を考えます。Mの冪集合と自然数全体の集合には一対一対応が成り立つと考えられます。M^2とn桁で表記できる数との間に一対一対応が成り立つからです。
そうすると、有限集合Mの冪集合であるM^2と、無限集合の間に一対一対応が成り立ってしまうのではないでしょうか。


と、いうのが自然数を表記するのに必要な桁数が有限であって無限ではないということについて、不思議に思うことを集合を使って説明してみたものです。