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無菌マウスは長生き

花粉症などのアレルギーになりにくくするには、適度に不衛生な環境が望ましいという考え方があって、ある程度は確かな話のようです。
これとは逆に衛生的な環境が長生きにつながるという考え方もあります。動物実験ですが、無菌マウスという全く細菌を体内に持たないマウスが普通のマウスよりも長生きだということは確かめられています。


人間の場合は、完全に無菌の状態で生活するのは不可能に近いでしょうが、もし生まれてからずっと無菌でいられたら長生きするのではないかと思われます。アレルギーになりにくくするのに不衛生なのが良いとして、長生きするには衛生的なのが良いということでしょうか。


SPFマウスといって、無菌では無いけれども感染症などを引き起こす細菌がいないマウスもいるのですが、無菌マウスはSPFマウスと比べても長生きのようです。その理由として弱毒病原体をあげているところがありました。これを人間にも適用可能だとすると、感染症などを引き起こす細菌以外でもいない方がいいように思います。

なぜ弱毒病原体が問題かを考えてみましょう。見逃せないのは弱毒病原体(日和見病原体)が老化および癌を始めとする各種の慢性病と無関係ではないことです。1960年代、無菌操作技術が発展して無菌動物がつくりだされ、完全な無菌条件で無菌動物を飼育継代できるようになりました。とりわけ、狭い場所に多数を飼育できるマウスを使って、無菌環境が寿命に及ぼす影響が研究されました。
 無菌マウスと親のSPFマウスの寿命を比較すると、前者はSPFより少なくとも1.3倍長寿であり、加齢による老衰もなく一斉に揃って死ぬことがわかりました(図2)。SPFはspecific pathgen freeの略で、急性で激烈な感染症を起こす潜伏病原体は除去されていると云う意味で、腸内細菌を始め弱毒の病原体は寄生しています。

http://www.ec-lactoferrin.org/lactoferrin/chapter3-2.html


別の話としては、虫歯の原因菌が子供の口内に入らないようにする虫歯の予防法があるようです。親などから口移しで食物を与えられると、親の口の中にいる細菌も与えられることになります。スプーンなどの食器の共用だけでも良くないようです。あらかじめ親が虫歯予防として3DSなどと呼ばれる口内の殺菌をしておくのも効果があるようです。これなどは、衛生的な環境を保つことが好ましい例と言えるのではないでしょうか。