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ワクチン接種の費用

http://sankei.jp.msn.com/life/body/080130/bdy0801300806000-n1.htmのニュース「ワクチン格差 WHO推奨も…日本では定期接種なし - MSN産経ニュース」に関して。

わが国の小児の定期接種ワクチンは、ジフテリア、百日ぜき、破傷風の三種混合▽BCG▽ポリオ▽はしか、ふうしんの二種混合▽日本脳炎の8種類。一方、米国では、B型肝炎▽ロタウィルス▽b型ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Hib=ヒブ)▽肺炎球菌▽インフルエンザ▽おたふく▽水ぼうそう▽A型肝炎など計16種類に及ぶ。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/080130/bdy0801300806000-n1.htm


日本の場合は定期接種ワクチンは無料で受けることができるのですが、アメリカや他の国ではどうなんだろうかということが気になりました。“肝炎や髄膜炎などを米国並みに予防しようとすると、少なくとも15万円から20万円の自己負担が生じるという。”と書かれていますが、「米国では無料なのに」か「米国では30万以上かかる」では印象がぜんぜん違うからです。そこのところがどうなのか少し調べましたがよくわかりませんでした。少なくとも日本人の子供がアメリカで予防接種を受ける場合は費用がかかるようです。
あと、輸入ワクチンが高価なのは輸入量が少ないからではないかと思いました。沢山の人が受けるようになればもう少し安くなりそうです。


「肺炎球菌」に関しては、NHKの番組「ためしてガッテン」で見た記憶がありました。そのときは、高齢者に限ってワクチン接種をした方が良いと説明していたようです。

肺炎球菌ワクチンの注意点
接種を勧められるのは、高齢者(65歳以上の方)、慢性呼吸器疾患・心不全・腎不全・肝硬変・糖尿病の患者さんなど肺炎にかかりやすい方々です。
肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの両方を打つことによって、肺炎の予防効果が高まることが確かめられています。ただし両方のワクチンを接種する際は、時期をずらして打つことが勧められています。
このワクチンには健康保険がききません。費用は病院によっても違いますが、1回8000円程度です。(自治体独自になんらかの補助制度を持っている場合もあります)
1回ワクチンを打てば、5年間は効果があるというデータが出ています。ただし、過去にワクチンの接種を受けたことのある人は、再接種はできません。(2回以上接種することはできません。)

http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2007q1/20070221.html


また、肺炎予防の方法としてワクチン以外に、「インフルエンザ・かぜに注意」「“歯と歯ぐき”をみがく」があるようです。ワクチンの有用性は明らかであっても、それ以外の予防方法もできるかぎりしておいた方が安全でしょう。


あと日本脳炎ワクチンは一時的に定期接種として推奨されなくなっています。これはきわめて稀にADEM(アデム、急性散在性脳脊髄炎)と呼ばれる副反応が起こる可能性があるからです。希望すれば接種することもできます。
日本脳炎以外のワクチンでADEMになることもあるし、ウィルス感染が原因で、またはっきりとした原因が無いこともあるようです。

A2:原因別に1)感染後ADEM、2)ワクチン接種後ADEM、3)特発性ADEMがあります。1)の感染後ADEMは、発疹性ウイルス(麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹など)、ムンプスウイルス、インフルエンザウイルスに感染した後に発症することが多いとされています。他にEBウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス等のウイルス、マイコプラズマ、キャンピロバクター、溶連菌などに引き続いて発症することもあります。一般的には気道、消化管感染症などの後に起こりますが、起炎病原体を同定できないことが多いようです。
2)のワクチン接種後ADEMは、種痘、狂犬病、麻疹、日本脳炎、インフルエンザ、百日咳、ジフテリア破傷風、ムンプス、B型肝炎等のワクチン接種後に引き続いて発症するものです。
3)の特発性ADEM(idiopathic ADEM)は、感染症やワクチン接種などの病歴がなく、明らかな誘因がないものです。

http://www.nih.go.jp/vir1/NVL/WhatADEM.htm


参考リンク
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/nouen/index.html 厚生労働省日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A
http://www.nih.go.jp/vir1/NVL/WhatADEM.htm 急性散在性脳脊髄炎(ADEM:acute disseminated encephalomyelitis)Q&A



(31日追記)
必ずしもアメリカとは限らないのですが、外国の予防接種に関する以下のような記述を見つけました。

(注)日本では「定期予防接種」とは、予防接種法で規定された公費負担のある予防接種と理解されているが、これが日本以外の国に必ずしもあてはまるわけではない。法によらず、また公費負担がなくても、保健省(厚生省)や保健分野の研究・学術団体が国民に接種を広く推奨する予防接種は定期接種(英語ではroutine immunizationまたはuniversal vaccinationなど)と呼ばれることが多い。海外の文献を読む際にはこの点で注意が必要である。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/25/298/dj2987.html