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「激戦! 蒼橋跳躍点 銀河乞食軍団黎明篇3」

激戦! 蒼橋跳躍点 銀河乞食軍団黎明篇3 (ハヤカワ文庫JA)

激戦! 蒼橋跳躍点 銀河乞食軍団黎明篇3 (ハヤカワ文庫JA)


別作者による銀河乞食軍団シリーズの3冊目ですが、話が進むにつれてよい感じになっていると思います。読みながら、どうしてもオリジナルのシリーズと比べてしまうのですが、今回のような艦隊戦はオリジナルにはありません。乞食軍団こと星海企業はメンバーはともかく一民間企業に過ぎないので、艦隊で戦ったりはしません。だから別の方法で戦うのですがそれはおいておいて、今回のような話は連邦軍時代だからこそ書ける訳だし、力もだいぶ入っているように感じました。


設定で気になったのは、主砲のビーム砲が光速よりもだいぶ遅いことと、レーザーを使わないこと。オリジナルシリーズではレーザーが主に使われていたからです。
その辺の違和感を読み手の想像で補うとしたら、「レーザーだと反射による威力の低下が激しいのと当たった部分には穴が開くけれど周囲への影響があまりないので破壊力が劣る。ビーム砲のプラズマ弾は、レーザーの口径よりも大きくできし当たった部分を広い範囲を吹き飛ばせる程に威力が大きい。そして威力や必要なエネルギーや戦闘距離などから最適なビーム速度も決まり、それが現在の光速の10%というものである。」といった感じでしょうか。


艦隊戦が起こった背景などについても書かれていますが、連邦の政治的背景などが後にムックホッファ達が連邦軍を辞める遠因にもなっているのかもしれません。直接の原因は、オリジナルシリーズでも少し触れられているようにほんの些細な原因ですが、弱いものいじめの嫌いなムックホッファという評判は今回の事件でたったのだろうかなどと読みながら思いました。


直接の戦闘とは別に、偶然からですがロイスの取材と記事も状況を大きく動かします。変わった発明品の登場は、オリジナルシリーズの外伝のような印象を受けました。


大勢は決着したような感じではありますが、もうひと波乱ありそうな終わりかたでした。