2012-02-14 対案 小説 「僕の意見に反対なら対案を出して欲しい。」男は言った。 「そんなの私にはできない。」女は言った。 「じゃあ、僕の案でいいよね。」たたみ込むように言う男。 「ダメ、納得できない。」はねつける女。 「それじゃあ現状をどうするんだ。」どなるる男。 「もういい。私帰る!」どなり返す女。 せっかくのバレンタインデーなのにな。ヒールをカツンカツンさせながら去っていく女と、呆然とした感じで残された男を眺めながら僕は思った。でもどこでご飯を食べるのかであんなに揉めることもあるんだな。僕も気をつけないと。