職務質問でポケットの中を探るのは正当か

職務質問から逮捕につながったというニュースがありました。

挙動不審だった原田容疑者を署員が職務質問した際、ズボンのポケットに覚醒剤や大麻が入っているのを見つけた。

http://www.asahi.com/national/update/0909/TKY201309090058.html

でも、職務質問をした警察官がズボンのポケットを探るのに本人の同意は得たんだろうかと気になりました。
ニュースと同じ渋谷署の管轄で職務質問をされた人の体験を引用します。職務質問をした警察官はポケットの上から触ったり、中身を見せるように言うことはできるみたいですが、中を直接探ったりはできないみたいです。

私は、私のズボンのポケットを上から強く触ろうとする彼らの手を払いながら、大きな声でこういいました。

「君たちは何で私のポケットの触るのだ。何で君たちにポケットのものや財布を見せなければならないのだ」

彼らの中でいちばん歳をくった男がいいました。

事件当日の私の服装です。まあ、お世辞にもダンディとはいえませんが、見るからに犯罪者という風体でもないと思いますがねぇー。ベストを着ていたのは、風邪のために悪寒がしていたために、厚着をしていたのです。私が立っているところが、事件現場です。私はここで4人組にいきなり取り囲まれたのです。どっちから4人組が私を襲ったのか、私はいまでも分りません。その位、いきなりのことでした。 「あなたは、いま手を入れていたチョッキのものは、見せてくれたじゃないですか。怪しいものをもっていないのならば、ズボンのポケットの中のものも見せなさい。なぜ、見せられないのですか。見せなさい。財布を出しなさい」

そういいながら、執拗に私のズボンのポケットに触ってくるのです。私はだいぶ冷静になってきました。この手を払いのけることは正当防衛的な行動ですから、公務執行妨害にはなるまいと思いながら、強く払いながら大きな声でこういいました。

「私は、見せる気がない。何で財布まで見せなければならないんだ」

それでも、この4人の警察官は、ズボンのポケットの中を見せなさい、財布を見せなさいといって私を取り囲み、そこを動こうという私の自由を完全に奪っているのです。そして、こりもせずに何度も何度もズボンのポケットの上を強く触り、中のものを確かめようとするのです。「何で触るんだ」と詰問すると、「触るのは職務質問として許されているんだ」と開き直るのです。正確な時間はこういう状況ですから分りませんが、おそらく3〜4分くらい激しく揉み合い、いい合いました。

http://www.liberal-shirakawa.net/dissertation/policestate.html

何も悪いことをしていない善良な市民が突然警察官に囲まれたという話を読むと警察ひどいという気にもなるし、職務質問から逮捕にいたれば警察がんばったと思ったりもします。だだ、これらは別の事柄ではなくどちらも警察の活動としては同じ部類に属するものでしょう。数から言えば職務質問が逮捕に結びつく例よりも無駄に終ることの方がずっと多いとしても、地道に活動をつづけているわけです。
職務質問をへらすと不愉快な思いをする人は減るかもしれませんが、職務質問を契機とした逮捕も減ってしまうでしょう。