存在しなくなった惑星
チェコのプラハで総会を開かれた国際天文学連合で、冥王星を惑星から外すことが決められたようです。
惑星といえば、ホルストの作曲した組曲「惑星」を連想しますが、これには冥王星は含まれていません。これはその当時に冥王星が発見されていなかったためです。ちなみに「地球」もホルストの「惑星」には含まれていません。
冥王星は、惑星の定義からは外れたものの、星自体が無くなったわけではありません。しかし、その存在を予想されながら、最終的には否定されることになった惑星があります。水星の内側にあるとされたヴァルカンです。
水星の内側に惑星が存在するのではないかというのは、計算で求められる水星の軌道と観測結果がずれていたことから予想されました。同じ時期に、天王星の軌道のずれからその外側にも惑星があるのではないかと予想され、事実存在しました。それが海王星です。
海王星の発見にはその力を発揮した万有引力の法則も、ヴァルカンの発見には役立ちませんでした。逆に、水星の軌道のずれは万有引力の法則の間違い少なくとも不完全さを示しているのです。
以上のような話は、SF作家でもあるアイザック・アシモフの書いた科学エッセイ「存在しなかった惑星」で読みました。
アシモフといえば、エッセイだけでなく講演もさかんに行っていたようです。そこで地球から一番近い恒星について質問されたときのことを別のエッセイで書いています。
自信たっぷりに答えたアシモフに対し、その質問をした子供はこう言ったそうです。
「僕は地球から一番近い恒星は太陽だと思っていたけど」と。
冥王星が惑星でなくなったことで、私達から一番遠い惑星は海王星になりました。それでは、一番近い惑星は何でしょう。
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