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自由は無料

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2008/02/post_609.htmlの「レジデント初期研修用資料 透過的ルールと能力」に関して。

うちの地域でも今度から、小児科医療が無料化するらしい。県知事が会見開いて、「予算の問題はあるけれど、各地域協力してほしい」なんてやってた。

大学にも少しづつ小児科が増えて、うちの県限定で、せっかく小児科が復活しかけてたけれど、これで「終わったな」と思う。

無料化は意思表示の機会を奪う
小児科を無料化すると、夜間の救急は、間違いなく子供が増える。診るほうからすれば、子供さんはリスクの固まりだから、子供が来たら、みんな小児科医に振る。小児科は潰される。

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2008/02/post_609.html


無料だと人が増えるというのは確かにそうだろうとは思います。無料でなにかを配っていると行列ができていたりするし。でも、夜中にわざわざ行くのは無料でもめんどくさいと思う人も多いのではないでしょうか。医療費はロハだとしても、病院に行く交通費はかかるし、時間をコストとして考えることも出来ます。だから医療費が無料になることで全体のコストは下がるもののゼロにはならないわけです。経済学の需要供給曲線をつかって予想すると供給コストが下がった分だけ需要が増えるわけですが、それがどのくらいなのかということ。具体的には医療費がかかるなら行かないけど、無料なら行くとい人がどの程度の割合で存在するかによるのだろうけど。

ただ老人医療費支給制度によって医療費が増大したという歴史から考えれば、子供の医療費を公的負担するようになれば医療費が増大するという確率は高そうにも思います。でも家庭で介護したり老人ホームなどに入れる代わりに入院させるというのは子供の場合にはそれほど心配なさそうです。


ところで、何を「得」と判断するのかというのを判断するのはわりと難しいのかなとも思います。病院に行っても医療費がタダならば表面的には得したように思えますが、これは生命保険などに加入していて病気や怪我をして保険金が下りたら得したと思うのと似ています。でも死んだら保険金が沢山出るけど、これは得なんでしょうか。
病院に行かないですめば、それが一番得のように思います。だから予防接種などである程度防ぐことが出来るものに関しては多少の費用をかけてもメリットがあるはずで。定期予防接種は無料ですが、インフルエンザなどの予防接種は小児科が無料化されていても費用がかかります。*1
あとは虫歯予防としてのフッ素の塗布などもそうかも。予防は有料で虫歯の治療費は無料だとしても、虫歯にならないメリットを考えて予防にコストを支払うという選択もあり得ます。要はコストとメリットの兼ね合いでです。

*1:補助がある場合もあるかも。