コヒーラ
「晴れた空にくじら 2 戦空の魔女」にコヒーラというのが出てきました。無線装置に使われるものとして書かれているので、マルコーニが電波の実験に使ったコヒーラ菅のことなんだろうというのはすぐに想像がつきました。しかし、実験ならまだしも実用的な通信には使えないのではないかと思ったのですが、調べてみると実際にも使われていたようです。
ウィキペディアの説明を一部引用します。
コヒーラ検波器(コヒーラけんぱき)は無線通信の黎明期に発明された電磁波検出装置である。 1890年、金属粉末の電気伝導性を研究していたエドアール・ブランリーによって金属粉末に高周波が到来すると電気抵抗が激減、直流電流が流れる現象が確認された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%A9%E6%A4%9C%E6%B3%A2%E5%99%A8
実用は無理だと思ったのは、同調回路が無いと思っていたからです。同調回路がないと、チャンネルが一つしかないような感じになります。そうすると通信範囲内にいれば誰でも受信できてしまうし、2箇所以上で送信したら混信してしまいます。それに、雷などの空電の影響も受けるでしょう。マルコーニの実験では同調回路を使わなかったようだし、ウィキペディアにある回路図もそうなっていますが、同調回路を使った装置もあったようです。それならば複数の交信がおこなえるわけです。それでも、いったん導通状態になったコヒーラをリセットするには叩くなどして振動をあたえる必要もあるので、何かと面倒だったことは確かです。
そういえば昔ゲルマニウムラジオの同調回路を無くしたイヤホンとダイオードだけの回路*1でもラジオが受信できたのを思い出しました。放送局を選ぶことはできないので、一番強い電波の放送だけしか聴けなかったのですが。
話を「晴れた空にくじら 2 戦空の魔女」にもどすと、発光信号をどうやって出しているのかも気になりました。時代的な設定からは電球は無いだろうし、鏡を使ったものなのかな。でもそれだと太陽が出てないときとか方角が違うとかで困るから、マグネシウムなどを燃焼させたりしたのかな。
あと「バールのようなもの」が前巻に引き続き今回も登場してましたのが、これは意図的なものなのかそれとも自然に出てしまったのか。
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*1:簡易型のシグナルトレーサとして使ったのだったか。