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塩水に電気を流す

現在使用中の加湿器について。


VICKS スチーム式加湿器 V100BM

VICKS スチーム式加湿器 V100BM


この製品は水を加熱して蒸気を発生させる方式の加湿器なのですが、加熱の仕方が独特です。ヒーターなどの加熱のための部品は製品にはありません。水に電気を流すことによって、水自体を加熱しています。
水道の水そのままではほとんど電気が流れないので、食塩を加えて薄い食塩水にしています。水に電気をながすと、電気分解されるのではないかと思ったのですが、直流でなく交流なので大丈夫のようです。何しろ食塩水を電気分解したら塩素が発生するし、水の中には水酸化ナトリウムが残るので、そうならないことは大切です。


中央の部分で加熱されて蒸気がでてきます。外側にも熱は伝わりますが、さわっても大丈夫な位。水に加える塩が少ないとあまり蒸気がでないし、多すぎると電気が流れすぎます。最近の製品には電気の流れすぎを防ぐための機能を備えた、少し大きなコンセントが使われています。


水に電気を流す電極は、黒鉛の棒です。黒鉛は、エンピツの芯や乾電池の内部にも使われています。ときどき、この黒鉛の電極を掃除する必要があります。石のようなものが付着するので、ドライパーなどで擦り取ります。
電極は円筒形のケースの中にあって直接さわれないようになっています。これは電極にさわって感電しないようにと言うのと、加熱の効率を上げるためでしょう。掃除をする場合にはネジをはずして分解する必要もあるので、そういった手入れの苦手な人にはむいていないかも。あと動作の強弱は基本的には無く*1、スイッチさえありません。コンセントに差し込んでしばらくすると蒸気がでてきます。
購入の動機は値段が安かったからなのですが、水に電気を流して加熱するという仕組みが単に面白いだけでなく、水が無くなると電気が流れなくなり加熱がストップするということには感心しました。


食塩水に電気を流すと言う加湿器と、同じ原理を利用したパン焼き器も過去に存在したようです。器の箱の両側に金属板の電極があり、その間にパン生地を入れ電気を流して加熱することでパンが焼けるという仕組みです。
ずいぶん昔の製品で、当然ながら現在は販売していませんが、理科の実験などでは現在も行われているようです。


参考

電気パンの基本 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/butu8.html
小さな電気パン http://www.morinogakko.com/classroom/rika/jikken/denkipan/tiisana.htm

*1:食塩の量によって加減することは、いちおう可能ではあるけど。