難しいことを簡単に説明する
頭の良い人ならば、難しいことも簡単に説明することができる。
これはよく言われることで、ネットでも時々話題になります。肯定的に話されることもあり、逆にそんなことはないと否定的に話されることもあります。
これはまあ程度問題というか、話されることの難しさや説明の簡単さをどのくらいの基準に置くのかによっても変わります。
肯定的な実例とて、ファラデーの「ロウソクの科学」という本をあげることもできます。これは一般向けの講演で話されたことを本にまとめたもので、身近な物理現象についてわかりやすく説明がされています。
もう一つ同じような例としてファインマン博士の「物理法則はいかにして発見されたか」という本もあります。物理学のなかでも難しい量子力学について、これも一般向けの講演での話をまとめてあります。
これらは頭の良い人によって難しいことが簡単に説明された例として考えることが出来ます。ただし、これらの本を読んでわかったことが、難しいことの全てではないという点にも注意する必要があるでしょう。
たとえ話として、絵のうまい人がシンプルな線で似顔絵を描いたとします。その絵を見た人は、それが誰なのかを簡単に理解することができます。もちろん元の人を知っていればの話です。
シンプルな線での似顔絵というのが難しい事柄の簡単な説明のたとえで、似顔絵を見て誰だかわかるのと同じように、簡単な説明で難しいことの特徴を知ることができます。
似顔絵を見て誰だかわかるからといって、同じような絵を描けるかというとたいていの人には無理だろうし、シンプルではない写真のような絵を描くことも無理でしょう。
これが簡単な説明でわかったことというのが、難しいことの全てではないというたとえになるのではないでしょうか。