Log of ROYGB

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幸福王子

http://d.hatena.ne.jp/gordias/20070409/1176086019の『G★RDIAS - 「本当は、できるでしょう?」の原初的風景』に関して。他にはhttp://d.hatena.ne.jp/uumin3/20070409/p2の「uumin3の日記 - 道徳的詐術」やhttp://d.hatena.ne.jp/ymd-y/20070412/1176389955の「ymd-yの日記 - 責任を負えないことに責任を感じるのは悪いことだってカケル君は言ってたよ!」、http://d.hatena.ne.jp/REV/20070414/p1の「REVの日記 @はてな - 有能な魔女狩り検察官」、http://d.hatena.ne.jp/trivial/20070415/1176591337の「一本足の蛸 - 間接的な人殺し」あたりも関連していると思います。

前にhttp://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20060313の「あなたは二者択一を迫られます」で書いたのも、似たような問題に関してです。他人の命を助ける為に、自分の全財産をなげうつことが出来るのかというような内容です。
そんなのは無理ではないかと当時は思っていて、今でもそれは変わらないのですが、そうではない人もいるのかもしれないとも考えました。例えて言えば、小説の「幸福な王子(幸福の王子)」に出てくる王子とツバメのようにです。
他には同じ作者のワイルドが書いた「若い王」という話に、世の中の貧困について苦悩する王が登場します。しかし、それは人々には理解されません。

 すると群集のあいだからひとりの男が出てきて、にがにがしげに王に向かって言いました。「陛下、富める者の豪奢から貧しき者の生活が出てくることを、ご存じありませぬか? 陛下の虚飾によってわれわれは養われ、陛下の悪徳がわれわれにパンをあたえるのでございます。主人のために汗水たらして働くのは、つらいことではありますが、しかし仕えて働くべき主人を持たぬことは、なおいっそうつらいことなのでございます。大鴉がわれわれに食を恵んでくれるとお考え遊ばしますか? ……
新潮文庫「幸福な王子」より引用


釈迦が出家を決意したきっかけとされる「四門出遊」という話があります。世にあふれる苦しみを自分のこととして感じるのならば、出家して世の苦しみを減らすのもまた一つの方法です。
ただ、自己犠牲というのが行き過ぎるのもどうかと思います。昔話で、おなかをすかせた旅人の為にウサギが火の中に飛び込んだというのがあります。これはまあお話なので文句をいうのも変なのですが、行き過ぎた自己犠牲のような気がします。何より相手のことを考えているようで、実はそうでないのではないかと思うのです。ウサギに火の中に飛び込まれて喜ぶ人などはいないし、それは少し考えればウサギにだってわかったはずだからです。


インターネット上で読むことの出来る「幸福の王子」のアドレス http://www.hyuki.com/trans/prince.html


幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)