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レンタカー

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6cd431d50176471efdf11e33b25ba840の『レンタカー会社の賠償責任 - いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」』で批判的に紹介されていた裁判のニュースでhttp://mainichi.jp/select/jiken/news/20080514k0000m040098000c.htmlの「アーケード暴走:トラック貸した会社に責任 仙台地裁判決 - 毎日jp(毎日新聞)」に関して。

 仙台市青葉区のアーケードで05年4月、トラックが暴走し7人が死傷した事件で、死亡した同区の女性会社員(当時44歳)の遺族が、トラックを貸したレンタカー会社「ニッポンレンタカーサービス」(東京都)とアーケード内歩道を所有・管理する市に計7710万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、仙台地裁であった。潮見直之裁判長は、市への請求を棄却する一方、同社に計6410万円の支払いを命じた。

 トラックは同社が大友誠治受刑者(41)=無期懲役が確定=に貸していた。遺族は、会社は自動車損害賠償保障法に基づき「運行供用者」としての賠償責任があると主張した。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080514k0000m040098000c.html


自動車損害賠償保障法に基づきとなっているので、“包丁で殺人が行われたら、包丁製造会社か販売していた会社が払うべき、という論理”というのとは少し違うのかもと思いました。駐車違反の反則金を、運転者が支払わない場合は車の所有者に請求が行くのは少し前に法律が改正された結果ですが、それと基本的には同じ考え方ではないでしょうか。
交通事故の場合でも、運転者だけでなく所有者に請求が行われることもありそうです。事故の場合は保険が適用されるので、それほど問題にはならないのかも。でも今回の事件の場合、自動車保険は適用されるのかどうかはわかりません。
意図的な犯罪行為なので保険の適用外とも考えられますが、飲酒運転などの事故の場合でも保険金が給付されます。これは、被害者保護の考え方によるものだったと思います。運転者に飲酒などの重大な過失がある場合でも、保険を適用しないとした場合に被害者への保障が充分行われなくなる恐れがあるからです。
とは言ってもこの事件のような故意の犯罪の場合も自動車保険が適用されるべきかというと難しいところです。ウィキペディアの記述によればはねられた7名のうち4名については殺人・殺人未遂で起訴されています。残りの3名に関しては業務上過失致死傷による起訴なので、この部分は交通事故とも判断できるのかな。ただこの3名についてだけ自動車保険を適用するとかすると、残りの4名がかわいそうです。



参考リンク
wikipedia:仙台アーケード街トラック暴走事件


(追記)
仙台の事件の場合は、すべて自動車によって犯行が行われているのですべてを一体として判断することにそれほど無理もありませんが、先週秋葉原で起こった事件だとどうなんだろうということを考えました。トラックに衝突して亡くなった方とナイフで刺されて亡くなった方がいるからです。さすがにナイフで刺された事件まで交通事故の範疇に含めるのには無理があるでしょう。そうするとトラックによって亡くなった方に関しては、犯人に賠償能力が無かったとしてもレンタカー会社や自動車保険会社からの賠償があり得るということになるのかなあ。

自動車というのがある意味特殊だなというのも少し思いました。所有者や保管場所の登録がなされている点や、強制的な保険の加入が義務付けられている点です。ナイフの規制に反対する人の、自動車はどうなんだといった意見を目にすることがありますが、自動車と同じ扱いにすると所有登録や賠償保険の加入が義務付けられるようになってしまうかもしれません。