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背理法によって存在しないことを証明する

最大の自然数が存在しないことを背理法を使って説明してみます。
まず最大の自然数をMとおきます。
M+1も自然数の定義により自然数であると考えられますが、これはMが最大の自然数であるという定義と矛盾します。
ゆえに最大の自然数は存在しない。


次は1より小さい最大の実数が存在しないこと。
1より小さい最大の実数をRをおきます。
(R+1)/2は、Rよりも大きく1よりも小さい実数だと考えられますが、これはRが最大の実数であるという定義と矛盾します。
ゆえに1より小さい最大の実数は存在しない。


今度は0よりも大きい最小の実数が存在しないこと。
0より大きい最小の実数をEとおきます。
E/2はEよりも小さく0よりも大きな実数だと考えられますが、これはEが0よりも大きい最小の実数であるという定義と矛盾します。
ゆえに0よりも大きい最小の実数は存在しない。


最後に、半径1の円の外周を含まない内側にある図形で最大の面積を持つものは存在しないこと。
半径1の円の外周を含まない内側の図形で最大の物の面積をSとおきます。
(S+π)/2は、Sよりも大きく半径1の円の面積πよりも小さくなると考えられますが、これはSが最大の図形だという定義と矛盾します。
ゆえに半径1の円の外周を含まない内側の図形で最大の面積を持つ物は存在しない。



これらの問題は、http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080822の「背理法を使うとき忘れてはならないこと - hiroyukikojimaの日記」と、http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080827の「バーナンキ背理法に足りないもの - hiroyukikojimaの日記」に出てきた数学の問題から思いついたものです。前にも似たようなことを書いたこともあります。
最初のひとつはいいとして、あとの3つはパラドックス的な感じがするのではないでしょうか。もっと一般的なのとしては、0を含まない正の実数Rと、R’=1/Rによって導かれるR’は一対一対応させることが可能で、0付近と無限大付近が入れ替わるのは不思議な感じがします。最後の円の外周を含まないものとか、球の表面を含まないものはトポロジーの話に登場することがあります。


以前に書いたもの
1より小さい最大の実数