対数を使った計算
対数とは
対数というのは、計算を簡単にする目的で作られたもののようです。
掛け算をするときに、対数に変換してからだと足し算ですむし、割り算は引き算になります。
これは指数の計算の法則を応用しています。
10a×10b=10a+b
こんな感じで、同じ数のベキ乗どうしの掛け算は、足し算でも表せます。
だから、まず数を10の何乗という形にできれば計算が簡単ということです。この10の何乗という形に変換したものが対数です。10を使うのは、十進法となじみがあるからで、常用対数と呼ばれます。これ以外には約2.7を基準にした自然対数というのもあります。この基準にする数を底といいます。
Aという数の対数をlogAと表します。10のlogA乗がAになります。
式で表すとこうです。
A=10logA
掛け算割り算以外に、ベキ乗の計算も対数を使って簡単にできます。ベキ乗は掛け算になります。
52=(10log5)2
=10log5×10log5
=10log5+log5
=102×log5
対数のベキ乗
普通の数のベキ乗計算が対数の掛け算になるということがわかったとして、対数のベキ乗は普通の数の計算ではどうなるのでしょうか。
10log3log2
log3=a,log2=bとおくと
10ab
となるので計算は可能ではありますが、これは計算を簡単にするにには役立ちそうにありません。
足し算を対数で
これとは逆方向へも考えを進めることができます。つまり、通常の数の足し算を対数を使って表すとしたらどういう形になるのかというものです。
足し算を掛け算であらわすことはできます。
a+b
を掛け算で表す事ができたとして
a+b=a×c
とおきます。
cの値を求めると
c=(a+b)/a
となります。
これを使えば、足し算を掛け算で表せるので対数で足し算の計算をすることも可能です。
しかしcの値を求めるのにa+bを計算しないといけないので、まずa+bの計算をする必要があります。
対数の求め方
対数を使えば計算が楽になるけれど、それにはまず対数を求める必要があります。
普通は対数表から探すか、関数電卓があれば簡単です。しかし、対数の仕組みを理解していれば掛け算や割り算を使って対数の値を求めることができます。
log2の値を求めるのには、
210=1024≒1000=103というのを利用します。
210≒103
210/10≒103/10
2≒100.3
つまり
log2≒0.3が求まります。
もっと先の桁を求める場合や、他の数の場合も同じです。対数を求める方法がわかると、10を底にする利点も実感できるのではないでしょうか。