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数列都市3

自然数の逆数だけでなく、増加する等差数列の逆数も調和関数と呼ぶようです。知りませんでした。
そして、調和関数は発散するというのも証明されているようです。


1,2,3,4,5,…
という自然数の数列を2倍すれば、
2,4,6,8,10,…
となるし、3倍すれば、
3,6,9,12,15,…
となります。
n倍の場合には
n,2n,3n,4n,5n,…
と書けます。


つまり偶数の逆数は、
\large \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^\infty\frac{1}{2k}&=&\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{6}+\frac{1}{8}+\frac{1}{10}+\cdots\\&=&\frac{1}{2}(1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\cdots)\end{eqnarray}
と変形できるので、自然数の逆数の和が発散することを使えば発散が証明できます。


初項と公差が同じnの等差数列の逆数だと
\large \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^\infty\frac{1}{nk}&=&\frac{1}{n}+\frac{1}{2n}+\frac{1}{3n}+\frac{1}{4n}+\frac{1}{5n}+\cdots\\&=&\frac{1}{n}(1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\cdots)\end{eqnarray}
となるわけです。


初項がnでない場合ですが、例えば初項が1で公差が2の奇数の場合は、
\large \sum_{k=1}^\infty\frac{1}{2k-1}=1+\frac{1}{3}+\frac{1}{5}+\frac{1}{7}+\frac{1}{9}+\cdots
ですが、この各項を公差が同じ偶数の場合と比べてどの項も奇数の場合の方が大きいので、発散することがわかります。
初項がもっと小さい場合でも、同じ公差の数列の始まりの項をいくつか取り除いたものと比べることで発散が確認できるでしょう。