Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

eじゃない数の虚数乗

人力検索はてなの質問の、
e^(iπ) + 1 = 0 上式の数学的証明ではなく 「全くバラバラの分野で扱われ、何の関係性も持ち得ないと思われていた3つの数が、実際には結び付けられるどころか、非常にシンプルな解を導き出す」理由を教えて下さい。
に関連して虚数乗とはいったい何だろうというのを少し考えました。


\Large e^{i\pi}=-1

というオイラーの等式は非常に有名で、これは

\Large e^{ix}=\cos{x}+i\sin{x}

の特別な場合と考えることができます。
もう少し直感的なイメージでいうと、eを虚数乗すると原点が中心で半径1の円周上をぐるぐる回るわけです。
では、eでない場合だとどうなんでしょう。


任意の数をaとして

\Large a^{ix}

という式について考えます。
まず、

\Large a=1

の場合には1を何乗しても1で変わりません。実数乗ではなく虚数乗でもそうなるのかというのは少し微妙な気もしますが、とりあえず先に進みます。
2や3などの虚数乗ではどうかと想像してみると、eの場合に円をグルグル回るのだからeよりも大きな3などの場合は螺旋を描きながら拡大し、eよりも小さな値だと螺旋を描いて減少するんじゃないかと思いました。aの値によらず、x=0の時には1になるのだから出発点は同じです。


実際にどうなるかを計算してみると、

\Large a=e^{\ln{a}} *1

なので

[tex:\Large a^{ix}=(e^{\ln{a}})^{ix}=e^{i(\ln{a})x}=\cos{*2遅くなったり*3しますが。

aが1の場合にはlog1=0なのでcos0+sin0を計算すると1になり、これは1を何乗しても1というのと整合します。
aが1よりも小さい場合にどうなるかというと、

\Large a=\frac{1}{e}

だった場合に、

\Large \ln{\frac{1}{e}=-1

だから

\Large (\frac{1}{e})^{ix}=\cos{(-x)}+i\sin{(-x})

となって、ぐるぐる回る向きが逆になるわけです。

*1:lnはeを底とする対数。

*2:\ln{a}){\cdot}x})+i\sin{((\ln{a}){\cdot}x})] となります。 つまりどういうことかというとe以外の数の虚数乗でも、eの場合と同じく原点が中心で半径1の円周上をぐるぐる回るだけなのです。回り方は早くなったり((lna>1となるa>eの場合。

*3:1<a<eの場合。