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シミュレーションされた意識と逆転クオリア

人間の意識をシミュレートした場合に、本物と同じようにお腹がすいたり何かを感じたりするのでしょうか。
現実世界の場合は、お腹がすいても何も食べなければ、栄養不足で体が動かなくなりますが、シミュレーション上では単なる数値の変化に過ぎないわけです。なので、たとえばHPが1になってお腹がすいたように感じたとしても本物ではなく、数値を10にしたら感じなくなる架空の「お腹がすいた」になるような。
暑さ寒さなどもそうで、現実に寒さで体が動かなくなったりすることをシミュレートしたとしても、そういう風に設定しているからです。シミュレート上の温度設定の数値を変えるだけで寒く感じなくなることは、本当の寒さなのか。また、温度設定ではなく、人間の設定を変えて寒く感じなくすることもできます。シミュレーション上では、心頭滅却すれば火もまた凉し、が成り立つわけです。
逆転クオリアも、シミュレーション上では実際に試してみることができます。「寒い、寒い」と言ってる仮想人間の言語辞書の寒いを暑いに置換したら、「暑い、暑い」と言うようになるわけですが、このときシミュレートされた人は寒いと感じてるのか暑いと感じてるのか。

昔読んだマンガで、ケチな王様が、粗末な食事に不満を言う家来を何とかするために、物の感じ方を逆にする薬を飲ませるというのがありました。すると不味い食事が美味しい食事に変わって万事解決、とはいかず、そのうち誰も食事をしなくなります。
空腹による苦しみが薬の作用で逆になり、何も食べない方が気持ちが良くなってしまうからです。餓死しそうになりながら、これまで経験したことのないほどの良い気持ちになってしまう。

このように、現実世界での逆転クオリアは困ったことになるのですが、仮想世界なら問題なく現実になる、のかなあ。