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1より小さい最大の実数

0.999...が1に等しいということに関連したこと。0.999...=1であるのは正しいとして、1よりも少し小さい数について考えて見ます。定義するとこんな感じです。

  • 1より小さい最大の実数

これが1より小さい最大の整数ならば答えは0です。少数点第1位までの少数で考えると0.9になります。小数点以下第2位まで考えると0.99が1より小さい最大の数です。これを小数点以下どんどん伸ばしていくことができます。しかし、無限に続けると困ったことになります。0.999...は1だからです。

1より小さい最大の実数は存在しないということを背理法で説明してみます。求める数をAとします。(A+1)/2はAよりも大きく、1よりも小さい数になります。つまりAは1より小さい最大の実数ではあり得ません。証明終わり。

しかし、1より小さい最大の実数が存在しないというのは変な感じです。駅のホームで「本日の最終電車はありません。」というアナウンスを聞いたのと似たような気分です。もし最終電車とされていた電車が無くなったとしても、その場合はその前の電車が最終電車になるはずだからです。もし本当に最終電車が無いとしたら、その日は1本も電車が走らないということになります。同じように、1より小さい最大の実数が存在しないとしたら、1より小さい実数が存在しないということになりそうです。
これが「最大の自然数は存在しない。」だったらまだ理解できそうです。自然数は無限に存在するので、最大の自然数というのは定義上ありえないからです。
1より小さい最大の実数が存在しないということを、1より小さい実数の集合は上界を持たないと説明するとなんとなくわかった気分になれます。でも不思議です。数直線を1以上と1未満に分割すると、1以上の数直線の端には1があるのですが、1未満の方の端には何があるということが言えないということになります。別の言い方をすると数直線上で1の隣にある数を定義することはできない、となります。実数の場合だけでなく、有理数でも同じことが言えます。



以前に書いた関連ありそうなものへのリンク
可能自然数・実自然数