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対数感覚

対数というのを直感的に理解するのは難しそうです。小学校で数を教えるのにタイルやおはじきのような物を使うことがあります。これと似たような形で対数を理解することはできないのか考えてみました。
まず、すぐに思いつくのは計算尺です。計算尺は、物差しのようなものが複数組み合わさっていて、そのいくつかが対数目盛になっています。ただ、現在ではほとんど使われていません。
対数目盛のグラフ用紙というのもあります。片方だけが対数の片対数と、両方の軸が対数になっている両対数の用紙があります。片対数のグラフは、周波数に関連した物でよく使われます。
数の桁数というのも対数を理解するのに役立ちそうです。1,10,100と桁数が増えることから、対数の増加が連想されます。
しかし、直感的に対数を理解することはやはり難しいでしょう。任意の数の最上位桁が1になる確率は、約30%にもなり、これは対数的には自然ですが直感的に理解するのは難しいでしょう。なぜか1から9が同じではないのです。任意の数というのを具体的な物でいうと、ある場所の人口や面積、あとは何かの長さとか重さとかそういった数のことです。
どうして0から9が同じ確率で現れないのか説明してみます。まず数の範囲が1から9の場合に、そこらか任意の数を選ぶと最上位の数は1から9で同じ確率です。これが1から20までだったらどうでしょうか。11から19はすべて1から始まります。0から30までや、0から50まで、0から86までといった範囲でもだんだん少なくなりますが最上位桁が1になる確率は、均等よりも多くなります。1から99までの範囲では0から9の出現確率は等しくなります。しかし、そのあと100から199まではすべて1が最上位桁になります。
だいたい、感覚的にはこんな説明で最上位桁に1が出現する確率が多いことがなんとなく説明できます。もう少し厳密に説明するには対数を使う必要があるのですが、直感的に理解するまではいかないでしょう。


対数を直感的に理解するのが難しい一方で、人間の感覚器官は対数的に働いているようです。例えば音の大きさや光の強さの感じ方は、直線的というよりは対数的です。つまり、1の大きさが2になったときと同じくらい大きくなったと感じるには、3になるのではだめで4になった場合になるということです。
音の大きさなどを表すdBという単位は対数を利用しています。音の高さのオクターブというのも対数です。光の場合だと、カメラの絞りが対数的に割り振られているのも関連しているかも。
このように、人間の感覚は対数を自然に取り入れているのですが、数として対数を理解するのはそうはいきません。何か理不尽にも感じられます。