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相対性理論における絶対性

昨日の相対論の話から相対性理論のことを考えていて、相対性理論にも絶対性はあるなと思いました。考えていたのは特殊相対性理論ですが、これはたった2つの前提から導き出されています。
ひとつは、相対性原理です。これは、どの慣性系でも運動や電気力学などの物理法則が同じように成り立つというものです。相対性理論の名前はここからきています。
もうひとつが光速不変の原理です。これは真空中の光の速度は、光源や観測者の運動にかかわりなく一定であるというものです。これを光の速度の絶対性と表現することも可能です。だから相対性理論を、光速度の絶対性理論と呼ぶことも出来るかもしれません。


現在の単位系では、長さの単位を時間と光の速度から導き出しています。その意味では光の速度は、長さよりも基本的な単位ということが出来るでしょう。長さの単位というのは何度も変わっています。地球の大きさをもとにメートル原器が作られて、それが長さの単位になりましたが、光の波長を計測するのには精度が不足していたのでクリプトンランプの光の波長を基にする方式になりました。それでも波長の均一性が充分でないので、光の速度を測定するのには精度が充分ではありませんでした。そして、現在の光の速度を基にする方法になったのですが、これで終わりでしょうか。
長さの単位に時間が使われていることから、時間の基準が変われば当然長さの基準もかわることになります。現在のセシウム原子を使う方式ではマイクロ波を基に時間の単位を決めています。これをもっと高い周波数にしてマイクロ波ではなく光にすると、もっと精度が高くなる可能性があるようです。もし光を使った光時計が時間の基準になれば、長さは時間と光の速度から導き出されるわけだから光だけを基準として長さが定められることになります。しかし、もしかしたらさらに精度の高い測定方法が開発されて、光の速度にも揺らぎがあることが判明したりするかもしれません。