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検査

はてなブックマークで紹介されていたhttp://www.asahi.com/national/update/0123/TKY200801230351.htmlにあるニュース「asahi.com献血HIV判明100人超 日赤「検査目的やめて」 - 社会」に関して。

献血時にエイズウイルス(HIV)感染が判明した人が07年に初めて100人を超えたことが23日、日本赤十字社の調べで分かった。感染者増に加え、検査目的で献血をする人が後を絶たないためとみられる。日赤は「感染直後は検査をすり抜けて輸血で感染してしまう恐れがある。検査目的の献血はやめてほしい」と呼びかけている。

http://www.asahi.com/national/update/0123/TKY200801230351.html


この100人というのは、保健所などで行っているHIV検査によって見つかる人数と比べてどうなのかなというのが気になりました。もし献血時の検査によって見つかるほうが多いならば、いっそのこと保健所の検査をやめて日赤に業務を委託するなんてことも考えられるかも。

その場合の問題は、記事にも書かれているように感染直後は検査しても発見できないということです。これは検査技術の向上によって解決できそうな気がします。でも現在の技術をもってしても、人間には感染するレベルのものが検出できないというのは意外な感じです。ダイオキシンなどでは、人体に全く影響がないであろうレベルまで検出できるからです。やはり生命関連の検査は難しいのでしょうか。検査レベルの向上以外の対策で考えられる物としては、血液製剤のように殺菌*1できればいいのだけれど全血では難しいのかな。

検査をすり抜けるで連想したのが狂牛病です。生後何ヶ月かまでの牛は、BSE検査をしても検出されないというのを読んだことがあるからです。これは、だから安全だと解釈するか、病気でも検査で見つけることができないとするかで随分違うイメージになります。
検索して調べてみたら、どうも確率は低いながらも病気だった場合でも検出できないということのようです。献血のウィルス検査と同じような感じです。

唯一確実のように思えることが、「20ヶ月以下の牛については、現在の検査を行っても、BSEの検出はできない」、ということ。

B君:要するに、単にそれだけ。その文章が今回の状況のすべてであり、それ以外に何も無い。

A君:もう一度確認しますと、「20ヶ月以下の牛のBSEは検査では検出できない」、のであって、「20ヶ月以下の牛はBSEの危険性はない」、のではない。

B君:リスク的には、老齢の牛に比べれば確率的には低いものの、「20ヶ月以下の牛であっても、ヒトの狂牛病の原因になりうる。要するにリスクはゼロではない」。

A君:したがって、「20ヶ月以下の牛については、リスク対策は、検査で確保できているのではなく、危険部位の除去のみによって行われている」。これが実態。

http://www.yasuienv.net/BSEPolitical.htm


話を献血に戻すと、献血を呼びかける現場で「献血をすると健康チェックになる。」といったようなことを言っていることがあります。これは、血球数やコレステロール値などのことなのでしょうが、そこからウィルスの感染確認を想像する人がいても不思議ではありません。ある面で、検査をメリットとして献血を呼びかけて、別の面では検査目的を否定するのはちぐはぐな態度にも感じられます。あと、記事にもありますが無自覚な感染者が増えている可能性もあります。それに対する有効な対策が無いようです。
前に「インセンティブ」で妊娠検査について書いたけれども、妊娠単独の検査の敷居が高い以上にHIV検査の敷居は高く感じるような気がします。
しかし、妊娠の可能性が聖母マリアのような生活を送っているのでなければある*2のと同様に、HIV感染の可能性も確率の違いはあっても多くの人に該当することなのでしょう。


(25日追記)
安全性の確保という点に関しても、牛などの食肉と献血の類似性はあるかもしれません。食肉処理をする場合でも、狂牛病の可能性の高いヘタリ牛を排除したりしているし。ただ、牛と献血者を同一視するものではなく、牛に対応するのは血液の方が適当でしょう。
牛で、危険部位を取り除くようなことを、血液でもできないか考えてみました。ウィルスの感染確率を統計的に判断することは可能でしょう。年齢や、性別、地域もしくは継続的な献血者であるかどうかなどの条件で、感染確率は違うはずです。そのまま血液として使う場合は、なるべく感染率の低いと推定されるものを使うなどすれば感染の可能性は下がるように思います。血液製剤などの原料にする場合はウィルスの不活性化が可能だからです。

*1:ウィルスの不活性化かも

*2:聖母マリアも聖書の記述によれば妊娠しましたが。