叙述トリックとSF
ちょっと前に「7分間SF」を読んで、SFでも叙述トリックのミステリーみたいな構造の話があるなあと 思いました。
たとえば最初に収録されている「カツブシ岩」は、最後まで読んでから少し前に戻って読み返すという叙述ミステリーを読んだ時にやるのと同じことをやりました。結末を知ってから再読すると、最初に読んだ時とは違う意味がわかってきます。
もっと古い話で「プラスティックのしゃれこうべ」や「眼鏡探し」というSF短編があるのですが、これらのラストの意味は読者にしかわかりません。つまり作中では謎のままなのですが、読んでいる読者にだけはわかるというのが、これまた叙述ミステリーとちょっと似ています。ただし読者を騙す要素はないので、その点は違います。