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二乗を3回繰り返すと元に戻す数と代数と複素数平面

二乗を3回繰り返すことで元に戻る数が

とりあえずだまされたと思って-((-1)^(1/7))を2乗してみてくれ - アジマティクス

*1に書かれていました。
元エントリーは代数的に書かれているのですが、これを複素数平面でのベクトルの回転として考えることもできます。たぶん複素平面の方が直感的な理解はしやすいと思うのですが、不思議な数という感じは薄れてしまうかもしれません。
2乗を3回くりかえすと元にもどる数を、長さ1の複素平面のベクトルとして考えると以下の7つがわりと簡単に導き出せます。2乗を3回くりかえすというのはつまり8乗することなので、8乗すると元にもどる数ということです。


(-1)^{\frac{2}{7}}


(-1)^{\frac{4}{7}}


(-1)^{\frac{6}{7}}


(-1)^{\frac{8}{7}}


(-1)^{\frac{10}{7}}


(-1)^{\frac{12}{7}}


(-1)^{\frac{14}{7}} = 1


これらすべてが8乗すると元の数にもどります。最後の−1の7分の14乗は−1の二乗だから1です。これが何乗しても1のままというのは簡単ですが、他の数がどうなるのか最初の1つを計算してみます。
((-1)^{\frac{2}{7}})^8 = (-1)^{\frac{2*8}{7}} = (-1)^{\frac{16}{7}} = (-1)^{2+\frac{2}{7}} = (-1)^{\frac{2}{7}}
他の数も同様に8乗すると元の数にもどります。
この7つの数には元記事にある-(-1)^{\frac{1}{7}}が無いように思えるかもしれませんが、(-1)^{\frac{8}{7}}がそうです。マイナスを付けた表記でも書いてみるとこうなります。


(-1)^{\frac{2}{7}} = -(-1)^{\frac{9}{7}}


(-1)^{\frac{4}{7}} = -(-1)^{\frac{11}{7}}


(-1)^{\frac{6}{7}} = -(-1)^{\frac{13}{7}}


(-1)^{\frac{8}{7}} = -(-1)^{\frac{1}{7}}


(-1)^{\frac{10}{7}} = -(-1)^{\frac{3}{7}}


(-1)^{\frac{12}{7}} = -(-1)^{\frac{5}{7}}


(-1)^{\frac{14}{7}} = -(-1)^{\frac{7}{7}} = 1



複素平面状のベクトルとして考えると(-1)^{a}というのはa=0の時の1から始まり、aが増えると原点からの長さは1のままで原点を中心にして左向きに回転していき、a = \frac{1}{2}虚数のiになり、a=1で-1、a = \frac{3}{2}で−i、そしてa=2で一周してまた1に戻ってくるというイメージです。